第13話
「じゃあ、どこに行く?」
「うーん……」
俺はスマホを取り出しどこに行くかをネットやブログなどで探した。
男としては前日に案を考えるのは当たり前なのだがそういうのは慣れていなかった。考えた末、渋谷とか原宿などで買い物をしてもいいが……在り来り過ぎる。
スマホの画面をじっと見ていると胡桃がいい案を出したのかこちらを見てスマホを見せつけてきた。
「ここにいこ!」
そう言って胡桃が見せたのは渋谷にあるプラネタリウムだった。
ここのプラネタリウムは有名な場所だ。渋谷駅からは近く交通の便もいい。
「いいね。じゃあ、行こうか」
「うん!」
行先を決めた俺たちはプラネタリウムに行くために電車で渋谷駅に向かった。東京駅から渋谷駅までは意外と近く数十分もすればすぐに着く。
───20分後
「渋谷だー!」
胡桃は大きく手を広げ渋谷の壮大な景色を見ていた。渋谷には人がとても多く目を離すとすぐはぐれてしまいそうになるほど人が溢れかえっていた。
「じゃあ、行くか」
渋谷駅から数分歩いたところでプラネタリウムに着いた。コスモプラネタリウムという場所だった。
そこに入ると外とは違いとても涼しく汗が一瞬で引いた。胡桃もどこか顔が晴れたような気がした。
「涼しいね〜」
「そうだな。早く受付済まそう」
「そうだね!楽しみだな〜」
胡桃は目を輝かせて楽しみにしていた。それを見た俺もどこか楽しくなっていた。
ビルの中にあるプラネタリウムなので人が多く混雑していた。
プラネタリウムは12階にあるのでエレベーターで向かうことにした。
数秒間、エレベータに乗り12階に着いた。
ここは上映に指定時間があり、12時、13時と1時間刻みで進んでいた。時間によってはやっている内容が違うようだ。席は予約制ではないので早い者勝ちだ。
俺はプラネタリウムの観覧券を買った。大人600円と中々、良心的な価格だった。現在時刻は12時前。俺は丁度よく12時に上映される券を買った。
観覧券をスタッフさんに渡すとプラネタリウムの会場に案内された。時間は結構早いものの席は半分埋まっていた。
「胡桃は星好きなのか?」
「うん!夜に空を見上げたら星が綺麗でそれで好きになったんだ!」
「そっか。それは知らなかったな」
「秋って意外と男前だよね」
「え?!」
胡桃にいきなりそう言われ俺は狼狽えてしまった。正体がバレてしまったのかと疑いたいところだが胡桃が気付くわけが無いと思い、俺は普段の口調に戻した。
「いきなりなんだよ」
「いつも髪の毛下ろしてるから顔よく見えないんだよね」
「そ、そうか?」
「で、今日は髪なんか結んできて。学校でもそうすれば?」
「そ、そうだな。それもいいか」
笑いながら軽く胡桃の話を流した。数分待っていると、会場のスピーカーからアナウンスが流れた。そろそろ始まるらしい。
俺と胡桃はそのアナウンスをよく聞き
次の展開に備えた。
『皆様、ご来場頂きありがとうございます。こちらでは星の様々な歴史などを聞いてもらうと同時に実際に星を見てもらうという講義になっております』
長々と会場に関しての注意をアナウンスしてから、ようやく始まった。
──────1時間後
『プラネタリウムは以上となります。ご来店ありがとうございました』
1時間という何とも物足りない時間で様々な星の歴史、星を見れたことはきっと忘れないであろう。
胡桃はまだ、余韻に浸っており目がキラキラと輝いていた。ぞろぞろと会場から出ていく人を見た俺は胡桃を連れ会場を後にした。
ビルから出た俺たちは背伸びをし、疲れを吹き飛ばすようにため息を着いた。
「プラネタリウム凄かったね!」
「そうだな。想像以上だった。やはり場所決めは胡桃に任せるよ」
「えっへん!どうだ!」
胡桃は自慢げに胸を張った。
今の時刻は、1時。ちょうど、お昼時の時間だ。
「ご飯どこにする?」
「うーん。どこでもいいぞ。胡桃が食べたいところに行こう」
「おっけー!まぁ、聞く前に決めてたけどね!」
「そ、そうか」
俺は苦笑いを返した。それにしてもこんなに楽しそうな胡桃を見るのは久しぶりな気がする。俺自身も楽しんでいる。今日は胡桃との約束を守れて良かった。
『あそこにいるのは、若月さんと間宮さん?』
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どうも、赤狐です。
更新を3ヶ月もの間を開けて申し訳ありません。読者の皆様には大変、ご迷惑をお掛けしました。
これからは地道に投稿する予定なのでよろしくお願いします。
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