第18話

 肉じゃがの完成を喜ぶ程、時間の余裕はなく、すぐさま皿に取り分けた。皿に取り分けると意外と少なかった。

 4時間目が終了するまでそう時間はなく、俺と冬季は肉じゃがを味わうことなく急いで食べ終え皿や鍋、使った調理道具洗った。その間、小鳥遊と西園寺さんはのそのそと肉じゃがを食べていた。チャイムがなる頃には全ての洗い物を片付けることが出来た。

 ふぅ…とため息がつい出た。


「調理実習でこんなに疲れるとは…」


「そうだね。さすがに僕も疲れたかな」


「美味しかったね!」


 俺らの話に割り込むように言った言葉にツッコミそうになりながらも、小鳥遊がそう言うと西園寺さんも冬季もそれに相槌を打った。

 チャイムが鳴るとそれぞれのグループに行き、教室に戻って行った。

 昼放課になると、昼ごはんを食べに行ったのか、西園寺さんと小鳥遊は教室を出ていった。

 4時間目の疲れが一気にでて、机に突っ伏した。すると胡桃がこちらに向かって歩いてきた。


「おや、お疲れのようだね〜」


「胡桃か、」


「何その反応!?」


 返答が素っ気なかったのか、胡桃が驚いたような声で言った。


「調理実習で疲れてな」


「あー、そっち大変そうだったもんね!」


「そうなんだよ、だから寝かせてくれ。悪いな」


「そっか、お疲れ様!!」


 胡桃はそう言って友達と教室を出ていった。

 やっと静かに寝れると思い、俺はそのまま目を閉じた。



 ────────────────


「…月!若月!!」


「え……?」


 名前を呼ばれ、目を開けたらそこには担任の先生がいた。


「お前、授業中寝てたらしいな?」


 まだ頭の中が混乱していた。時計を見たら16時になってもう授業が終わっていた。もちろん、教室には先生と俺だけが残っていた。


「あ、すみません。疲れて寝てました」


「そうか、大変そうだが授業はしっかり受けろよ」


 怒られると思ったが、意外とそうでも無かった。


「分かりました」


 俺は返事をし、帰るために荷物を取ろうとしたら先生が口を開いた。


「あ、それはいいとして体育大会の練習行かないのか?」


 それを聞いて、思い出した。今日、練習があったんだ。だから、いつもと違うような声がグラウンドが聞こえてきた。先生に言われなければ忘れて帰っていただろう。


「もちろん行きます」


 そう言うと先生が、そうかと言って出ていった。

 すぐ教室で着替え、グラウンドへ出ていった。


 グラウンドに出ると案外、始まったばかりでまだ練習は始まっていなかった。

 リレーをする所はどこだろう?

 グラウンドを歩いていると小鳥遊が手招きをし、そっちへ向かった。


「秋さん!来ないかと思ったじゃないですか!!」


「あー悪い。寝てた」


「授業中もずっと寝てましたよね。みんな秋さんの方注目してましたよ」


 ふふっとバカにしたような言い方で癪に障るがここは見逃そう。


「ところで、リレーってどこでやるか分かるか?」


 俺が聞くと、え?と困惑したような顔を小鳥遊が見せた。


「どうした?」


「ここがリレーですよ?」


 小鳥遊と俺の前にいる人がこちらを振り向いた。


「あ、若月さん!家庭科ぶりですね!!」


「若月くんだっけ?よろしくな!」


 そこに居たのは真田夏と西園寺さんだった。なんという組み合わせ……

 一波乱ありそうだ…

 そう考えているとリレー担当の先生が指示を出し、練習が始まった。


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 久しぶりです。赤狐です。

 更新を3ヶ月以上空けてしまい、すみませんでした。

 今後とも投稿していくのでいいね、フォロー、コメント、誤字脱字があれば是非、教えてください。


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陰キャとバカにされている俺だが実は有名バンドのボーカルだった 赤狐 @heavygod

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