第7話 コア数の定義

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 ■ コア数の定義 ■

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  コア数は、「みくみく順序数」の数の要素である。そのコア数を定義するために、まず「原始コア数」を定義する。「原始コア数」は「コア数」の数としての要素であるが、「原始コア数」と「コア数」とを分類する必要性は「みくみく順序数」においては存在しない。以下の「原始コア数」の定義は「コア数」の定義のための手段にすぎない。


 ■原始コア数の定義


 ・「原始コア数」は、「0」「1」「2」「3」「4」「5」「6」「7」「8」「9」「(」「)」「,」のみの支持体から成る文字列である。


 ・「𝓐」は、「0」「1」「2」「3」「4」「5」「6」「7」「8」「9」「,」のみの支持体から成る文字列である。


 ・如何なる「原始コア数」も、文字「(」と文字「)」と記号「𝓐」の示す情報体から成る文字列「(𝓐)」である。


 ・写像──


   𝑓₂: ℕ₊→ℳ₂ 

     𝑒⟼𝑓₂[𝑒] 


  ──を以下に義する。


  01: 𝑓₂[1] = ⁅Pᵪʷ⁆ 

  02: 𝑓₂[𝑣] = 𝑓₂[𝑣-1], ⁅Pᵪʷ⁆


  🔰展開例

  ・𝑓₂[4]=

   𝑓₂[3],Pᵪʷ=

   𝑓₂[2],Pᵪʷ,Pᵪʷ=

   𝑓₂[1],Pᵪʷ,Pᵪʷ,Pᵪʷ=

   Pᵪʷ,Pᵪʷ,Pᵪʷ,Pᵪʷ


 ・原始コア数の文字列「𝓐」は、全て、写像𝑓₂[𝑒]で得られる文字列の何れかに該当する。この記号「Pᵪʷ」の示す情報体の支持体は「0」「1」「2」「3」「4」「5」「6」「7」「8」「9」であり、全ての「Pᵪʷ」は自在である。

   

  🔰原始コア数の例

  ・(3,3,3,3,3,3) ⭕️

  ・(3,3,3,3,3,) ❌

  ・(,3,3,3,3,3) ❌

  ・(3,,3,3,3,3,3) ❌


 ・原始コア数の「Pᵪʷ」の在る部分を「項」と呼ぶ。

 

 ・如何なる原始コア数も、1個以上の「項」を持ち、項が2個以上あるとき、隣り合う項と項は「 , 」の文字で区切られる。


 ■コア数の定義


 ・原始コア数(𝓐)を「(𝓐’)₀」もしくは「(𝓐)₀」と置く。

 ・この「(𝓐’)₀」と「(𝓐)₀」は自在である。

 ・原始コア数(𝓐’)₀の項の要素は「Pᵪʷ」である。

 ・原始コア数(𝓐’)₀の項の個数が2個以上のときに限り、その任意の項が持ちうる要素を以下のように拡張する。

 

  ❶ Pᵪʷ

  ❷ (𝓐)₀の有限個の和

  ❸ 「(𝓐)₀の有限個の和」と「Pᵪʷ」の和


  ・記号「𝓐」の示す情報体の支持体は「0」「1」「2」「3」「4」「5」「6」「7」「8」「9」「(」「)」「,」に拡張される。それら項にある数は全て自在である。


  ・これを「(𝓐)₁」と命名する。


  ・このとき任意の(𝓐)ᵨを考える。任意の(𝓐)ᵨとは、原始コア数(𝓐’)₀の項の個数が2個以上のときに限り、その任意の項が持ちうる要素を以下のように拡張したものである。


  ❶ Pᵪʷ

  ❷ (𝓐)ᵨ₋₁の有限個の和

  ❸ 「(𝓐)ᵨ₋₁の有限個の和」と「Pᵪʷ」の和


  ・このとき、全ての「(𝓐)ᵩ」であるような、記号「𝓐」の情報体の集合を「𝓑」の記号で示すのであれば、如何なる「コア数」も、文字「(」と文字「)」と記号「𝓑」の示す情報体から成る文字列「(𝓑)」である。


  🔰コア数の例

  ・(3,(3,(3)(3))) ⭕️

  ・(3,(3)(3)) ⭕️

  ・(3,(3)) ⭕️

  ・((3)) ❌


 ■コア数の番地の定義


 ・如何なるコア数も番地を持つ。

 ・任意のコア数の番地は、その第1項にあるPᵪʷの番地と同じである。

 ・任意のコア数の番地は、その第1項にあるコア数の番地と同じである。


 ■項の番号


 ・コア数の項に1以上の自然数の番号をふるために、写像──


   𝑓₃: ℕ₊→ℳ₃ 

      𝑒⟼𝑓₃[𝑒]


  ──を以下に定義する。  


   01: 𝑓₃[1] = 第1項 

   02: 𝑓₃[𝑣] = 第𝑣項 , 𝑓₃[𝑣-1]


  この写像𝑓₃[𝑒]を使い、1以上の全ての自然数について、コア数の項の番号を(𝑓₃[𝑒])のように定める。


  🔰展開例

  (𝑓₃[4])=

  (第4項 , 𝑓₃[3])=

  (第4項 , 第3項 , 𝑓₃[2])=

  (第4項 , 第3項 , 第2項 , 𝑓₃[1])=

  (第4項 , 第3項 , 第2項 , 第1項)


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 ■ コア数と加算 ■

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 「(𝓑)」と「Pᵪʷ」の任意の組み合わせによる加算の表記の説明のために、文字列「(𝓑)ₑ」を考える。この「(𝓑)」の下付き文字「 ₑ 」を消去しても「(𝓑)」は変化しない。全ての「(𝓑)ₑ」の「(𝓑)」は自在である。


 ■(𝓑)の有限個の和の表記法


 (𝓑)の有限個の和の表記法を定めるため、写像──


   𝑓₄: ℕ₊→ℳ₄ 

      𝑒⟼𝑓₄[𝑒]


   𝑓₅: ℕ₊→ℳ₅ 

      𝑒⟼𝑓₅[𝑒]


  ──を以下に定義する。 


  01: 𝑓₄[1] = ⁅(𝓑)⁆₁ 

  々: 𝑓₄[𝑣] = ⁅(𝓑)⁆ᵥ + 𝑓₄[𝑣-1]


  02: 𝑓₅[1] = ⁅(𝓑)⁆₁ 

  々: 𝑓₅[𝑣] = ⁅(𝓑)⁆ᵥ 𝑓₅[𝑣-1]


 このとき(𝓑)の有限個の和の表記とは、


 ・ 𝑓₄[x]=𝑓₅[x]


 である。


 (𝓑)の有限個の和を「極限数」という。


  🔰表記例

  ・(𝓑)₂+(𝓑)₁ = (𝓑)₂(𝓑)₁

  ・(𝓑)₃+(𝓑)₂+(𝓑)₁ = (𝓑)₃(𝓑)₂(𝓑)₁

  ・(𝓑)₄+(𝓑)₃+(𝓑)₂+(𝓑)₁ = (𝓑)₄(𝓑)₃(𝓑)₂(𝓑)₁


 ■極限数とPᵪʷの和の表記法


 極限数とPᵪʷの和の表記法を定めるため、写像──


   𝑓₆: ℕ₊→ℳ₆ 

      𝑒⟼𝑓₆[𝑒]


   𝑓₇: ℕ₊→ℳ₇ 

      𝑒⟼𝑓₇[𝑒]


  ──を以下に定義する。 


  01: 𝑓₆[1] = ⁅(𝓑)⁆₁ ⁅Pᵪʷ⁆

  々: 𝑓₆[𝑣] = ⁅(𝓑)⁆ᵥ + 𝑓₆[𝑣-1]


  02: 𝑓₇[1] = ⁅(𝓑)⁆₁ ⁅Pᵪʷ⁆

  々: 𝑓₇[𝑣] = ⁅(𝓑)⁆ᵥ 𝑓₇[𝑣-1]


 このとき「極限数とPᵪʷの和」の表記とは、


 ・ 𝑓₆[x]=𝑓₇[x]


 である。


「極限数とPᵪʷの和」を「後続数」という。


  🔰表記例

  ・(𝓑)₁+Pᵪʷ = (𝓑)₁ Pᵪʷ

  ・(𝓑)₂+(𝓑)₁+Pᵪʷ = (𝓑)₂(𝓑)₁ Pᵪʷ

  ・(𝓑)₃+(𝓑)₂+(𝓑)₁+Pᵪʷ = (𝓑)₃(𝓑)₂(𝓑)₁ Pᵪʷ


 ■「加算の関係」という言葉の定義

 

 このとき、「(𝓑)ₑ」の如何なる下付きの番号を持つ「(𝓑)」に対しても、他の全て下付きの番号を持つ「(𝓑)」と「Pᵪʷ」は「加算の関係」にあるという。また、如何なる「(𝓑)ₑ」と「Pᵪʷ」も「加算の関係」にあるという。


 ■コア数と「加算」と「番地」


 「Pᵪʷ」と「(𝓑)」の如何なる「加算の関係」も同じ番地で行われる。


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 ■ コア数の構造と項 ■

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 ■「構造」とは何か?


 コア数は「加算で閉じた順序数」と似ている。そのコア数の“基本列”を得るために「謝像」を使うが、その「計算規則」を記す手段としての「構造」という概念をここで考える。


 例えば、順序数「ω^ω」は順序数「ε_ 0 」の要素であるが、順序数のひとつを表す記号「ω^ω」は、順序数のひとつを表す記号「ε_ 0 」の構造ではない。順序数のひとつを表す記号「ε_ 0 」の構造とは「ε」と「 _ 」と「 0 」である。


 さらに「ε_ 00 」という文字列をここで考える。文字列「ε_ 00 」の文字「0」を区別するため、文字列「ε_ 00 」を「ε_ 𝒜ℬ」と置く。このとき文字列「ε_ 00 」の構造は「ε」と「 _ 」と「𝒜」と「ℬ」であるが、文字列「ε_ 00」の構造の文字列「ε_ 0 」の構造は文字「ε」と「 _ 」と「𝒜」であり、文字「ℬ」は含まれない。


 構造と支持体には差異がある。文字列「ε_ 00 」の構造とは「ε」と「 _ 」と「𝒜」と「ℬ」であるが、文字列「ε_ 00 」の支持体とは「ε」と「 _ 」と、「𝒜」または「ℬ」である。


 ■コア数の「構造」の定義


 ❶ 任意のコア数「(𝓑)」の、コア数として許容される如何なる文字列「𝓑」も任意のコア数「(𝓑)」の構造である。

 ❷ 任意のコア数を「𝓒」としたとき、「𝓒」と「加算の関係」にある如何なる数も、「𝓒」の構造には含まない。

 ❸ 任意のコア数を「𝓒₀」としたとき、「𝓒₀」を構造に持つコア数「𝓒ᵨ」があるならば、「𝓒ᵨ」の構造の、「𝓒₀」以外の如何なる構造も、「𝓒₀」の構造には含まない。


 ■「項」と「構造」の差異


 コア数の「構造」と「項」の大きな違いは、(𝓑)の文字列「𝓑」に含まれる如何なる項も(𝓑)の構造だが、文字列「𝓑」に含まれるすべての項が(𝓑)の項とは限らないことである。例えばコア数(27,3,3,3)は4個の項を持ち「27」は第4項に存在する。この第1項の値を「3」から「(9,3)」に拡張してみる。


 ・(27,3,3,3)

 ・(27,3,3,(9,3))


 このとき(27,3,3,(9,3))の項は4個のままであり「27」は第4項に存在する。第1項にあるコア数(9,3)の項は(3,3,3,(9,3))の項として数えない。しかし「9」のある(9,3)の第2項は(27,3,3,(9,3))の構造である。


 ■コア数の持つ「項」の範囲の定義


 ❶ 任意のコア数を「𝓒」としたとき、「𝓒」の構造にある如何なるコア数の項も、「𝓒」の項に含まない。

 ❷ 任意のコア数を「𝓒」としたとき、「𝓒」と「加算の関係」にある如何なるコア数の項も、「𝓒」の項には含まない。

 ❸ 任意のコア数を「𝓒₀」としたとき、「𝓒₀」を構造に持つコア数「𝓒ᵨ」があるならば、「𝓒ᵨ」の構造の、「𝓒₀」以外の如何なる構造にある項も、「𝓒₀」の項には含まない。


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 ■ コア数の制限 ■

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 ❶ 「Pᵪʷ」「極限数」「後続数」をまとめて「数」と呼称するならば、 任意のコア数「𝓒」が「ᵪ番地」のとき、「𝓒」の「第𝑒項」に「ᵪ₊₁番地」以上の「数」があるならば、「𝓒」の「第𝑒 +1項」に、必ず「ᵪ番地」の数が存在する。


  🔰コア数の例

  ・(3,5,3) ⭕️

  ・(5,5,3) ❌

  ・(3,5,5,3) ❌

  ・(3,5,3,5,3) ⭕️

  ・(3,5,3,3,5,3) ⭕️


 ❷ 「Pᵪʷ」「極限数」「後続数」をまとめて「数」と呼称するならば、任意のコア数「𝓒」が「ᵪ番地」のとき、その構造には「ᵪ番地」よりも小さな番地の数は存在しない。また、これを満たさないコア数「𝓒」を構造に持つコア数は存在しない。


  🔰コア数の例

  ・(3,(5,(7,11,7),5),3) ⭕️ 

  ・(3,(5,(7,7,7),5),3) ⭕️ 

  ・(3,(5,(7,5,7),5),3) ❌ 

  ・(3,(5,(7,3,7),5),3) ❌

  ・(3,(5,(7,27,7),5),3) ❌


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 ■ コア数の不連続性 ■

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 コア数には以下のような数としての性質がある。


 ❶ 如何なるコア数も、そのコア数より大きな最小の数がコア数であることはない。


 ❷ 任意のコア数 𝓒 に対して、それ以外の数を□としたとき、如何なる□の有限個の和もコア数 𝓒 と等しくはならない。


 つまり、コア数は「みくみく順序数」の原子のような存在である。しかし、コア数は連続しておらず、コア数のみでは数にはならない。コア数はあくまで「みくみく順序数」の数の要素である。

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