概要
この音楽はきみのものだよ。この舞台は、きみを祝福するためにある。
「この音楽はきみのものだよ。この舞台も、この伴奏も、この世界すべてがきみのものだ――」
今年もまた、学年が上がる――特待生試験の時期がやってくる。
羽田葉子が副科を教える江藤颯太は管楽器専攻の特待生だった。
今回から伴奏者が代わるけれど、颯太は困ったようすもなく、いつもどおり音楽に向き合っている。
そんなある日、颯太がレッスンを休んだ。
そこで葉子が気づいたのは自分が何者か――副科であっても颯太の担当講師だ、ということだった。
「そう、わたしにも特待生試験に挑戦する生徒はいる。主科ではなくとも」
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別に連載している「恋するハンマーフリューゲル」と地続きの話です。
気が向いたら両方見ていただければうれしいです〜。
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今年もまた、学年が上がる――特待生試験の時期がやってくる。
羽田葉子が副科を教える江藤颯太は管楽器専攻の特待生だった。
今回から伴奏者が代わるけれど、颯太は困ったようすもなく、いつもどおり音楽に向き合っている。
そんなある日、颯太がレッスンを休んだ。
そこで葉子が気づいたのは自分が何者か――副科であっても颯太の担当講師だ、ということだった。
「そう、わたしにも特待生試験に挑戦する生徒はいる。主科ではなくとも」
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別に連載している「恋するハンマーフリューゲル」と地続きの話です。
気が向いたら両方見ていただければうれしいです〜。
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おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!至極の音楽を聞きながら、
はじめにそこには、言葉があります。
言葉は別の言葉と重なることで、
ざらざらしたり、つるつるしたり、
あたたかかったり、つめたかったりと、
さまざまに感触が変わっていきます。
言葉と言葉の連なりがひとまとまりになると、
意味のコントラストや連動性、調和が生まれます。
一本いっぽんのそうした連なりが、
縒られ、紡がれ、編まれ、織られて、
大きな広がりを持ってようやく、
小説と呼ばれるものになります。
細かな感覚を取り逃がさず、
丁寧に言葉を選び、並べ、繋ぎ、結ぶ。
すると、不思議と音楽が聞こえてくる。
といっても、必ずしも耳から聞こえるものではなく、
記憶を介して、風景に溶けて、
風…続きを読む