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石に触れると硬くて冷たい。 生命力に欠け、無機質だ。 なのに、その光は私たちを魅了してやまない。 古から人々は石の持つ不思議な力に囚われてきた。 時に災禍を引き起こす呪いとして恐…続きを読む

生きることは煩わしい。 ままならないことばかりで、ありとあらゆる存在が、私に向かって敵意を剥き出しにしている。 とりわけ人という生き物は、鋭い牙を見せつけるようにいやらしい微笑を浮…続きを読む

小説を書く上で当たり前なのに、 あまり当たり前にはなされていないことを、 当たり前に成している作品です。 一文、二文読めば、感じられます。（それが不思議。 これが当たり前になって…続きを読む

死を美化するでも貶めるでもなく、 自殺を肯定するでも否定するでもなく、 ふわふわとそうでしかない場所へと落ちてしまう、 あらがいがたい、運命のような、空気のような、 夏の花火の終わ…続きを読む

とても優れたハイファンタジーです。 冒頭で「おお」と思いましたが、 とても丹念に世界が練られています。 ハイファンタジーはこうでなければならない、 という前提条件は備えている作品で…続きを読む

理解したい。 理解されたい。 承認欲求の裏には常に、不実が蠢いています。 人に認められるために自分を偽ったり、 装ったり、着飾ったりして、 誰かに認めてもらおうと必死にもがいて、…続きを読む

朝起きて、ふと思うことがあります。 昨日の私と今日の私とは、同じ「私」なのだろうか、と。 ありきたりな問いであるだけに、誰もが一度は思ったことがあるでしょう。 では、もう一歩進め…続きを読む

愛情や友情、 そういうものが確かにこの世界にあるのか、 私にはよくわかりません。 誰か裏切ったり、 憎んだり妬んだり、 好きだと思ってみたり、 そういう存在については確信がありま…続きを読む

人はなぜ、物語を読むのか。 物語を読むこと、 劇や映画を観ることには、 どんな意味があるのか。 読む過程には既に書くがあり、 書く過程には常に読むがあると思います。 創作と創作…続きを読む

純粋に面白い。 形式を借りて、でもそこにとどまらず、 あらたな領域へと変換している。 これぞパロディの真骨頂なのだと思います。 実に洗練されている。 緊張感とともに、一種の緩さ…続きを読む

はじめにそこには、言葉があります。 言葉は別の言葉と重なることで、 ざらざらしたり、つるつるしたり、 あたたかかったり、つめたかったりと、 さまざまに感触が変わっていきます。 …続きを読む

読んでいて心地良いわけでもなく、 文章が途方もなく美しいというのでもなく、 ハラハラドキドキするような展開があるわけでもない。 なのに、どうしようもなく惹きつけられる。 ここには…続きを読む

ゲーム的感性との対比で、 自身の失敗を相対化して なんとか無為な日々をやり過ごそうとするもののの、 実は乗り越えられないことを悟りながら、 どこか諦めているような存在。 なんとい…続きを読む

パズルゲームとチョコレート。 このワードだけで小説が書けそうです。 名詞って強い。 小説を書くと、 形容詞や副詞をたくさん使いたくなるのですが、 一番強いのは名詞で、次に動詞だと…続きを読む

ですが、星はふたつで。 荒削りで感性頼りで、 それがとても良くもあり、 欠点でもあると思うのです。 ただ、すごく好き。 星三つにしたいのを我慢します。 ここが終着点であって欲し…続きを読む

やっと読み終えました！ なんと説明していいものか……。 断片に垣間見える思考や発想は面白く、 全体として見ると、 あらかじめゲシュタルト崩壊しているような物語です。 綺麗な形のス…続きを読む

これは、とても普通に小説です。 ネット小説は往々にしてネット小説なのですが、 この作品に関しては、ただの小説だと思いました。 だから、とりあえずネット小説じゃなくて、 中編か長…続きを読む

晴れた春の日に、日向ぼっこしているみたいなお話です。 人がいて、人がいて、人がいて。 人がいればそこに人生があって、 生活があって、 食もそこに含まれていて。 あったかくて、気持ち…続きを読む

男の安穏とした通勤風景が、ふとした思いつきによって一変します。 ささやかな実験と、意外な結末。 視点の切り替えにより、都会の殺伐とした雰囲気を見事に笑いへと昇華しており、非常に技巧…続きを読む