脱いだ先の営み

東京は都内。私立の音楽大学ピアノ科に通う、小川あけびは、自身の夢、将来、希望に疑問を持ち始めていた。
地元では天才ピアノ少女ともてはやされたものの、その才能の限界については、上京後、同じ大学に通うピアノ科の学生、また埼玉のピアノ音楽祭にてまざまざと思い知らされた。
そんな折、縁を持った江古田の銭湯「浜田湯」にて、番頭でXジェンダーの辻無博人から、暫くアルバイトしてみないかと提案される。
〝彼〟とそのLGBTの友人、銭湯で出会う人々との交流、また才能ひしめき合う音大生活を通して、彼女の目指すべき未来とは。