3.イケメン過ぎるルックスで散歩してみた結果w

「……ふーん」


 街を歩く、それは僕にとって苦痛でしかない事。


 街に散りばめられた無数の視線が、僕の価値をきめてやろうと手をこまねいている。


 チビだ。短足だ。ヒョロい。なんかキモい。挙動がムカつく。


 そんな風に自分勝手に僕の価値を決められ(実際流石に通行人にそんな事は言われてはいない)るだけ。


 街は、僕の事が嫌い。


 しかし歩く。


 今は歩く。


 キラキラと揺らめく川の流れも、葉を所々散らしてしまった街路樹も、僕を歓迎してくれる。


 彼らは心がないから、僕の「どうして?」に苦しむこともない。


 今日は何故だかそういった事柄に意識を向けられる。


 そう思える今が嬉しくて、歩く。


 どうして?


 僕は今、身長176センチ、足の長さ83センチ(ネットで調べた黄金比、身長✖︎0.47)体重62キロで体脂肪率13%、おまけに肌はスベスベ髪はサラサラだ。


 なんと驚いたことに、例の【World of chats】に入力すると、これらはひどくあっさりと実現した。

 

 チビじゃないし短足じゃないしヒョロくもない。


 なんかキモいとか挙動はよくはわからないけど、僕は大丈夫。


 なんかそう言われている気がする。


 それをただ感じていたくてひたすら歩く。


 太陽よこんにちわ!


 酸素こんにちわ!


 世界を形作る無生物に心の中であいさつをする。


 なぜだろう、それが少し気持ちよく感じた。


 世界は、変わった。



💻次回、肌年齢10歳の僕が通学してみた結果w💻

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