6.ハイスペックな脳でテストを受けてみた結果w

 ……うーん、退屈だ。


 カリカリ。


 カリカリ。


 どうしてこんなに簡単なのだろう?


 今はテスト中。


 数学のテストを僕は3分ほどで解き終わってしまう。


 一次関数も三角比も簡単過ぎる。yとxの二乗との関係が比例ならば、増え方減り方見ればわかる。


 sinだのcosだの、ホントに必要? 三平方の定理さえ知ってれば辺の長さは全てわかるのに。


 どうしてこんな当たり前のことを偉そうに訊いてくるのだろう?


 ホントは知ってる。


 それが普通の人間には難しい事柄なのだということを。


 実際、前頭葉の処理スピードと大脳新皮質の厚みを書き換える前の僕にはどちらもサッパリ分からないものだった。


『数学なんて博士みたいな人がやればいいんだ、僕には必要ないよ』


 中間テストを返された時にそう言って、クラスのみんなに笑いながら殴られたっけ。


 まあいいや。とにかく暇だ。


 どうやら学校というの場所は、業務を前倒しに終わらせても、次の作業には進めないらしい。

 

 あと34分、僕はこの机と椅子いう狭い世界で時間を無駄にする。


 こんなこと言うとまた殴られるんだろうな。


「ふふっ……」


 そう思うと、何故か笑みが溢れてくる。


 明日もいい日になりますように。


 僕は目を閉じた。


💻次回、7.9999Nの親指で弾いてみた結果w💻

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る