9.好きな子に嘘をつきまくった結果w
「へー、そうなんだぁ〜」
彼女はコロコロと笑う。
突然彼女に声をかけられ、突然『時間ある?』って聞かれて突然近くのマックに連れてこられた。
憧れの梶尾さんに。
どうしてそんなに楽しそうなの?
僕がWOCで顔をイケメンに書き換えたから?
どうしてそんなに僕をマックに誘ったの?
僕がWOCでニューロンの伝達スピードを書き換えてテストで学年一位を取ったから?
眩しすぎる彼女の笑顔から僕は、輝きしか見ることが出来ない。
マックにつくなり梶尾さんは、
顔、変わったよね、整形?
とか、
テスト凄かったじゃん、勉強そんな出来たっけ?
とか色々訊いてくる。
その度に僕は、
うん、整形。
とか、
ちょっと大学に行きたくなって。
とか適当に答える。
梶尾さんに嘘をつくのら嫌だったけど、チートコードがどうのとか言って頭オカシイと思われるのはもっと嫌だ。
「じゃあさじゃあさ? こないだの体育のじ、……かん、……あれ?」
言ってる途中、梶尾さんの瞳から涙が零れ落ちる。
その姿はなんだか、美しくて、悲しい。
「……あれ? おかしいな、ほんと、どうしちゃったんだろね?」
梶尾さんは泣きながら精一杯はにかむ。
悲しみがこぼれ落ちようとも、その正体だけでも隠す最後の防波堤。
よくは分からないけど、そんな風に思えて。
その悲しみと儚さを、もっと見ていたいと思ってしまう。
「ゴメン、ホント、……今日は、帰るね?」
そう言って梶尾さんは立ち上がる。
場違いな欲求を抱いた事がなんだか後ろめたくて、それがバレてしまうような不安に駆られて。
僕は、立ち去る梶尾さんをただ黙って見送る事しか出来なかった。
僕は、無力だ。
次回💻脳内麻薬で本当にトリップした結果w💻
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