第14話 クラスメイトをマリオネットみたいにしてみた結果w

「コラ、おう、コラおう?」


 島崎くんが僕にめいいっぱい顔を近づけて言う。


 その顔面の角度は無駄に傾げたくびのせいでやたらと傾いていて、まるで自分がこの地球に生まれ落ちたことが不思議で仕方がないかのよう。


 それにしても口臭いなぁ。胃腸悪いのかな?


「広瀬ぇ、テメェなんで囲まれてっかわかってんよな?」


「……うーん」


 辺りを見回すとニヤニヤした男たちが15人程。


 皆ポケットに手を突っ込んだり床に座り込んだり

と、リラックスした姿勢でことの成り行きを眺めている。


 さながらそれは、これから始まる楽しいショーの観客。それも、サーカスとか映画なんて大層なものではなく友達の家で見るレンタルDVDって感じ。


「とりあえず、……この人達は?」


[……っ」


 大体わかっているけどあえてそれを島崎くんに訊いてやると、彼は一瞬ピクリと眉を動かす。


 そして仲間達を少しキョドりながらチラリと盗み見てから言う。


「いやぁ、……ほら、これからキモい奴シメんだっつったらよ? みんな面白そうだからってついてきちったんだよ?」


 ……成る程。


 そういうことにしておきたいってわけだね。


 ホントはこないだ肛門に鍵を刺されて僕をちょっと怖がってるから友達に一緒にいて欲しいけど、それを言うのは恥かしい。


 うーん、DQNも大変なのかもね。


「だからよぉ、俺らぁ面白かったらなんでもいんだよ? だからテメェブン殴られたくなけりゃ俺に向かって背筋しながら謝っブバっ!!」


 言い終わる前に島崎くんの横っ面を“軽く”叩く。


 ゴスン、という低く小気味いい音と共に島崎くんの顔面は頭部2個分くらい瞬間移動したみたいにノックバック。


 そして無惨に崩れ落ちていく様はまるで糸の切れたマリオネット。


 ……あれ、まさか死んじゃわないよね?


「なぁあ! ……くぅっ、……首ぎゅぁ」


 ……うーん、梶尾さんに心配されない立場になりたくて張り切ってはみたものの、慣れないことはやるもんじゃないね。

 

次回下校しようとした結果w


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