【チートコード】で自分を書き換えた結果、現実世界を無双できたので世界に復讐します。

ゆきだるま

1.高度150mからの重力加速度で街を書き換えて見た結果w

「どうして?」


 それは僕が世界で一番嫌いな言葉。


「どうして?」


 それは僕が一番繰り返してきた言葉。


 僕は今まで、この『どうして?』のせいで何度、人を怒らせたのだろうか。


 理不尽が嫌いで、全てに理由が欲しくて。


 だから僕は無遠慮に問いかけた。


 何度も、何度も。


 嫌われて、虐められて、居場所を無くした。


 そしてまた僕は世界に問いかける。


「どうして?」


 そんな僕を不憫に思って手を差し伸べてくれる人もいたけど、僕はそんな優しい人にも言う。


「どうして?」


 するとその人は黙って僕から離れていった。


 その人が最後に見せた顔が記憶に張り付いて離れない。


 今まで僕がしでかした事。


 僕が世界に望むものの傲慢さ。


 それがそんなものの全てを表しているようで、心に強くブレーキをかける。


『望むな!』


 って感じで、強く自分を戒める。


 ホントは理屈じゃわかってる。


 他人は思い通りにはならないし、自分とは違う感覚で生きている。


 全てを答える義務なんてないし、ましてや僕みたいな粘着質な奴に心を開く義務なんてもっとないんだ。


 プチプチ。


 薬をシートから全部出して掌に乗せる。


 だから仕方がないのだ。


 僕を嫌ったクラスの皆んなも、僕を殴った短気なあいつも、仕方ない。


 不器用なりの防衛本能、あるいは彼らなりの『どうして?』を僕にぶつけていたのかも。


 ごっくん。


 水と共に薬を飲み込む。


 最初に無くしたのは安心だった。


 ここにいてもいいんだ。


 皆んなと話してもいいんだ。


 そう思える気持ちが少しずつ崩れ去った。


 次に無くしたのは信頼。


 あの子と話したい。


 あの子と仲良くなりたい。


 そんな心躍る感情は、いつしか憎悪に変わっていた。


 そして最後に、希望を無くした。


 きっといつかは……。


 それが最後、僕に残された生きる理由だった。


 そしてそれだって変わってしまった。


 どうせこの先ずっと……。


 って感じに。


 フラフラ。  


 意を決して立ち上がると、自分が平衡感覚を失っている事に気付く。


 うん、いい感じ。


 スッ。

   

 僕は未来へ進む航海士の如く一歩を踏み出す。


 どうやら薬は、僕から平衡感覚を奪う代わりに勇気を与えてくれたみたい。


 ヒュン。


 そして僕の力強い次の一歩は空中を踏みしめる。


 クルリ。


 空が回って街が現れる。


 ゴォー。


 街は、ものすごいスピードどこっちにやって来る。


 最後に街に聞いてみる。


「どうして?」


 答えはなかった。


 ぐちゃり。


 街は、消えた。


【広瀬健斗が登録されました】


💻次回、チートコードでで脚の長さを書き換えて見た結果w💻



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