電車の中で目が覚めれば、自分の以外の人間は全て灰になっていて……という場面からはじまる「かなり」「ふしぎ」な作品です。具体的な地名を記した情景描写・主人公の心情描写が、とてもリアル。派手さのない文章ですが、淡々と描かれる終末世界の様相はかえって胸に迫るものがあります。果たして主人公は、題名にある「凱旋門」のあるパリに、たどり着くことができるのか。様々な謎も含んで、先が気になる作品です。
詳しく書いてしまうとネタバレになるのでそうできないのがもどかしいです。この作品は背景となる設定がひじょうによく練られています。そして、キャラクターにも個性があります。キャラクターにも、そして物語の背景にもはっきりとした個性があって、頭の中で音読するときのテンポもとてもいいと思いました😊
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