創作に関わったことのある人。目標がある人、目標があった人。夢を追う人……追っていた人。そんな全ての人が感じたであろう絶望を生々しい語り口で物語として紡いでおられます。そして、その中に、ほんの少し込められた希望。絶望の物語であるはずなのに、読後は勇気をもらえる不思議な作品。傑作です。
小説のコンテストで大賞を取って書籍化への道を踏み出した「わたし」と、そんな「わたし」が小説を書くきっかけを作ってくれた旧友の「彼女」。「わたし」は「彼女」に殺されると半ば確信しながら、久しぶりに彼女と会う約束をします。断筆宣言、心情を書き殴ってすぐ消してしまった作品、カクヨムで小説を書いている人ならば一度は感じたはずのあの感情。それはあまりにリアルで、WEB小説の書き手の闇をずばりと突いてきます。小説を書くこと、作家になること、それを改めて考えさせられる一作、おすすめです。
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