神様ですら、きっと知らない

これぞ青春ミステリという本作。
爽やかで、丁寧に描きだされた高校生活の日々の奥に、
ひっそりと、沈むのは沈黙を強制された残酷か。

私立桜周高校に入学した藤崎弥生は、旧校舎の図書館で、一人の美しい青年と出会います。
それから、一枚の心をとらえて止まない絵画とも。

ここには、愛という感情がありました。
家族愛であり、兄弟愛であり、友愛であり、そして――恋でした。
ええ、いくつかの恋がありました。

ですが、果たしてその恋は、本当に真っすぐで純粋な思いによって支えられたものだったのでしょうか？

人が人を思う形とは、決して一様ではありません。
美しいままであれた恋もあれば、
これから育まれてゆ…続きを読む

旧校舎の第二図書館には幽霊が出る。
この謎から始まる、青春学園ミステリーです。幽霊ということで、そこにホラーもひとさじ垂らし……。

ミステリーであるので、レビューで多くを語ってしまうのはナンセンスというものだろう。
旧校舎、図書室、美貌の司書――これだけでもう、興味をそそられる謎の気配がしませんか。
弥生たち高校生は、ここで何を紐解き、そして何を知るのか。

人間は、誰かと関係を築いたり、感情を抱く生き物です。それを歪ませるか、どうするか。それを選ぶのは自分次第。
青春真っ只中を生きる彼らの物語は、爽やかで、少し怖くて、そして優しい。
どうしてこうなってしまったのか。
解決の鍵はどこにある…続きを読む

ミステリーを読むときに思う「こうなるかな？」「ああなるかな？」の答え合わせを、読み進めながら確認していくときに感じるワクワク感やハラハラ感。それをしっかりと味わえる文章と流れ、そしてそれぞれのキャラの感情。私の語彙力では良さを伝えきれません。是非、読み手の皆さんに実際に確認してほしい作品です。

旧校舎の図書館には幽霊がでるよ
そんな怪談話のある場所で見つけた１枚の絵。出会った司書は存在せず、クラスに編入してきたのは、留学生のミステリアスなイケメン。
失踪した先生は先輩の姉で？
とある教師には黒い噂？

夏のひとときに、イケメン編入生と、優しい幽霊の真実を追いかけてみませんか？

青春の1シーンや緊迫する展開、緩急メリハリのある描写にきっと引き込まれること間違いなしです！
物語の真相を知った時、驚きとゾクゾク感があります！
是非最後まで読んでみてください！