0

 これは瓶の手紙だ。


 どこの誰とも知れぬあなたに宛てて、電子の海に流された手紙。


 ある有名な推理小説で完全犯罪を成し遂げた犯人がそうしたように、わたしはわたしの秘密をここにしたため、海へと流す。


 ただし、殺す側ではなく殺される側として――


 確かな事実として、わたしは遠からず死を迎える。


 それがいつになるかは「彼女」次第だ。


 わたしは「彼女」に殺されるかもしれないのだから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る