概要
九年ぶりに再会した好きだった幼馴染は、知らない男の人妻でした。
「急に、ごめん」
「部屋、入れてくれたりしないかな……?」
高校三年生の夏、俺――若草彰人――は幼稚園年少からの幼馴染である彼女――七津星雫――へと告白した。彼女と共に過ごした十五年という月日を信じ、腐れ縁にもなりつつあるこの関係にピリオドを打つために告白するも。
「……ごめん」
たった三文字で玉砕に至る。
あれから九年、俺は㈱ゼクトという管財・警備を主にする会社に務め、二十七歳で課長代理という役職まで頂けるほどに成長を遂げた。
仕事柄深夜帯から始まる現場も多く、俺が会社を出るのは二十一時が当たり前。約一時間の通勤時間と買い物を済ませると、家につくのは二十二時半、朝は七時に家を出て八時半には席に着く。
会社と家の往復だけの生活だったある日。
家のアパートの二階、俺の部屋の前で座り込む彼女
「部屋、入れてくれたりしないかな……?」
高校三年生の夏、俺――若草彰人――は幼稚園年少からの幼馴染である彼女――七津星雫――へと告白した。彼女と共に過ごした十五年という月日を信じ、腐れ縁にもなりつつあるこの関係にピリオドを打つために告白するも。
「……ごめん」
たった三文字で玉砕に至る。
あれから九年、俺は㈱ゼクトという管財・警備を主にする会社に務め、二十七歳で課長代理という役職まで頂けるほどに成長を遂げた。
仕事柄深夜帯から始まる現場も多く、俺が会社を出るのは二十一時が当たり前。約一時間の通勤時間と買い物を済ませると、家につくのは二十二時半、朝は七時に家を出て八時半には席に着く。
会社と家の往復だけの生活だったある日。
家のアパートの二階、俺の部屋の前で座り込む彼女