第13話チーム・ブンガブンガの怒り

神島鈴かしまりん誘拐ゆうかい成功せいこうした桐島きりしま日向ひなた彩芽あやめは、ふくダンボール株式会社かぶしきがいしゃへともどってきた。

「このむすめ間違まちがいないな、桐島きりしま?」

「はい、間違まちがいありません。」

「そうか、よくやった。このむすめ倉庫そうこにでもめておけ。」

日向ひなたがまだめないりん倉庫そうこへとはこんでいった。

「これであと大島おおしま電話でんわをするだけだ・・・。」

羽柴はしば周防すおうからおしえってもらった番号ばんごう電話でんわをかけた、大島おおしま電話でんわた。

「はい、大島おおしまです。」

大島おおしまか、わしは長篠組ながしのぐみの組長だ。」

「・・・羽柴はしばか、なんようだ?」

大島おおしま声色こわいろわった。

「よくもシノギの邪魔じゃまをしてくれたな、どうしてくれるんだ!!」

「それはおたく違法いほう事業じぎょうめるからでしょう、健全けんぜん運送会社うんそうがいしゃつづけていればかったのに。」

「まあいい、おまえにはこといてもらうからな」

「なんだと、どういうことだ?」

「おまえがスポンサーをしているチーム・ブンガブンガというふざけた名前なまえわるガキ集団しゅうだんがあるだろ、そいつのメンバーの一人ひとりいもうと誘拐ゆうかいした。」

「メンバーのいもうと・・・?」

名字みょうじ神島かしまという、うそかどうかになるなら本人ほんにん確認かくにんするがいい。」

「それで要求ようきゅうはなんだ?」

身代金一千万みのしろきんいっせんまんと、ここでのシノギをみとめて妨害ぼうがいしないという約束やくそくだ。要求ようきゅうこばむなら神島かしまいもうところす。」

「わかった、これからどうするかはなう。」

「では二時間後にじかんごにまた電話でんわする。」

羽柴はしば勝利しょうり確信かくしんしたかお通話つうわった。










一方いっぽう大島おおしま羽柴はしばっていたことがにかかり、神島かしまいえ電話でんわした。

神島かしまはすでに帰宅きたくしていて、電話でんわた。

「もしもし、神島君かしまくん?」

大島おおしまさん、どうしたんですか?」

ひときたいことがある、きみいもうとはいるか?」

りんがどうかしたんですか?」

いまいえるか?」

あそびにっているからいないよ、ていうかりんがどうしたというんだよ?」

大島おおしま懸念けねん的中てきちゅうした、大島おおしま真剣しんけん口調くちょう神島かしまった。

「さっき長篠組ながしのぐみ組長くみちょうから電話でんわがあって、りん誘拐ゆうかいしたというんだ。」

「おい、それマジか!!」

「ああ、要求ようきゅう一千万円いっせんまん長篠組ながしのぐみさないことだ。それにしても、なんで長篠組ながしのぐみきみいもうとっているんだ?」

「・・・じつはこないだりんがあの廃墟はいきょでオバケをたとったんだけど、本当ほんとう長篠組ながしのぐみ連中れんちゅうじゃないか?」

「なるほど。とにかくこのままではりんあぶない、おかあさんがかえってきたらこのことをぐにつたえるんだ。イーサンにはわたしからつたえておく。」

「わかった、よろしくたのむ。」

大島おおしま通話つうわると、丁度ちょうどイーサンと友近ともちかがやってきた。

大島おおしまさん、れい高校生こうこうせいから証言しょうげんれたよ。」

「よくやった、だが緊急事態きんきゅうじたいきた。」

「どうしたんですか大島おおしまさん?」

神島かしまいもうと長篠組ながしのぐみ誘拐ゆうかいされた、長篠組ながしのぐみ要求ようきゅう身代金みのしろきんさないことを条件じょうけんにしてきた。」

イーサンと友近ともちかおどろいた。

「とうとうここまで強引ごういん使つかいましたね・・・。」

ゆるせないよ、りんちゃんを誘拐ゆうかいしておどすなんてやりかたきたないよ!」

イーサンはおこっている。

はや神島かしまらせなきゃ。」

大丈夫だいじょうぶ神島君かしまくんはもうっている。わたしがらせておいた」

「ありがとう。みんなをんでくるから、電話でんわりてもいい?」

大島おおしまうなずくとイーサンは神島以外かしまいがいのメンバーに連絡れんらくをした。









一時間後いちじかんご武田たけだ文道ぶんどう斎藤さいとう風間かざま四人よにん大島家おおしまけ集合しゅうごうした。

りん誘拐ゆうかいされたって本当ほんとうか?」

「うん、あいつらそれで大島おおしまさんをおどしている。要求ようきゅう一千万円いっせんまんえんとここで自由じゆう商売しょうばいできるようにしろということだ」

てこもりのつぎ誘拐ゆうかいだって?あいつら警察けいさつこわくないの?」

「どうもそうらしい、神島かしまくんには大島おおしまさんから連絡れんらくしてあるからこのことをっている。」

「そうか、それでたすけにくんだよな?」

「もちろん、仲間なかまのためだもん。」

イーサンの言葉ことば四人よにんうなずいた。

「それでどうやってりんたすけるかはなおう。」

「そうだな、おそらく長篠組ながしのぐみ大島おおしまさんにもう一度連絡いちどれんらくこすだろう。そのときりん団地だんち広場ひろばまでれてくるようにうんだ。」

「なるほど、それからはどうするの?」

おととしあな誘導ゆうどうして、そこにとすというのはどうだ?」

としあなか・・・あ、そうだ!!」

するとイーサンはなにひらいた。

「だったら警察けいさつたとおもわせて、ぼくたちがあいつらをたすけるふりをしてとしあなとすというのはどう?」

「それはいいアイデアだ。」

「そうとなったらあならないといけないわね。」

時間じかんがないから連合れんごうのメンバーにも手伝てつだってもらおう。」

イーサンは大島おおしま作戦さくせん報告ほうこくした。

「それはいい、いまここにいるメンバーは友近ともちか赤谷あかや前崎まえざき三人さんにんだ。三人さんにん手伝てつだってもらえばいい。」

「え、わたしくのですか?」

「そうだ友近ともちか、これも地域ちいき安全あんぜんのためだよ。」

「そうですね、それではわたしから三人さんにんこえをかけておきましょう。」

友近ともちか赤谷あかや前崎まえざき連絡れんらくをしにむかかった。そしてイーサンは四人よにんった。

「みんな、この作戦さくせんにはりんちゃんの命がかかっている。失敗しっぱいすればりんちゃんはどうなるかわからない、かりたすかったとしても長篠組ながしのぐみがはびこることをゆるすことになる。ぼくたちはりんちゃんと地域ちいき安全あんぜんがかかっているんだ、だからかなら成功せいこうさせるぞ!!」

そして五人ごにんは「ブンガブンガ!」と気合きあいをいれた。










それからイーサン・武田たけだ斎藤さいとう文道ぶんどう風間かざまども五人ごにんと、友近ともちか前崎まえざき赤谷あかや大人三人おとなさんにんは、としあなはじめた。

としあななんてドッキリでやるものだろ、上手うまくのか?」

赤谷あかやさん、上手うまくいくかどうかはわからないけど、ここは『チーム・ブンガブンガ』をしんじましょう。」

「そうだな・・・、それにしてもかれらをているとなつかしくなるな。」

赤谷あかやむかしおもしていた。

「ねえ、わたしから提案ていあんだけどいい?」

友近ともちかがイーサンにはなしかけた。

「どうしたの、友近ともちかさん?」

警察けいさつたふりをするとっていたけど、この際本物さいほんものてもらうのはどうかしら?」

「え、そんなことができるの?」

「このへん夜間やかんパトロールがおこなわれているでしょ、わたしいに交番勤務こうばんきんむ警官けいかんがいるの。だからそいつにたのんでパトロールちゅう偶然通ぐうぜんとおりかかったことにすればいいわ。」

「それはいいよ、それならやつらはあせるぜ。」

「ここであいつらをがすふりをして、上手うまとしあなとすのよ。」

すると「おーい!」というこえがした、イーサンたちがこえのするほうくと神島かしまとジェームスがいた。

神島かしま、それとパパ!?」

「ハハハ、けはズルいぞ。わたしちからそう。」

神島かしまとジェームスはイーサンたちのほうかっていった。

「イーサン、すまねえ!おれがもっとけるようにするべきだった。」

にするなよ、チーム・ブンガブンガをおこらせたことを後悔こうかいさせるために、もう一度いちどあいつらをギャフンとわせてやろうぜ。」

「ありがとう・・・、おれ頑張がんばるぜ!!」

神島かしまちかくにあったスコップをつと、穴掘あなほりに協力きょうりょくした。








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