第17話本当の黒幕

中京ちゅうきょうテレビまえいてから十五分後じゅうごふんご友近ともちかくるまむかえにた。

イーサンとジェームスがくるまむと、長篠運輸ながしのうんゆけて発車はっしゃした。

「イーサン、きゅう大島おおしまからしされたときおどろいたわ。あんた大島おおしまなにったの?」

運転うんてんしながら友近ともちか質問しつもんした。

面白おもしろいことがあると言っただけだよ。」

「イーサン、ちゃんとおしえてあげなくていいの?」

「だってマジックのまえ種明たねあかしはダメでしょ?」

「そうね・・・。たとえがよくわからないけど、現場げんばいてからるのがいいわ。」

そしてくるま長篠運輸ながしのうんゆ到着とうちゃくした、イーサンとジェームスと友近ともちかくるまからりると、そこには大島おおしまをはじめ名古屋老若連合なごやろうにゃくれんごうのメンバーが十人集じゅうにんあつまっていた。

そしてあつまっているメンバーのあいだに、ボロボロになった田中たなか姿すがたがあった。

田中たなかさん、大丈夫だいじょうぶ?」

「イーサン・・・、もしかして大島おおしまらせたのはおまえか?」

イーサンはうなずいた。

「・・・ありがと、たすかったよ。」

「それでなかにいるひとたちは、無事ぶじなのか?」

いまから内部ないぶ突入とつにゅうして救助きゅうじょする、イーサンはそこでっててくれ。友近ともちか一緒いっしょにきてくれ」

「はーい、きまーす。」

そして大島おおしまたち十一人じゅういちにんは、長篠運輸ながしのうんゆ内部ないぶ突入とつにゅうした。

三分後さんぷんご田亀組たがめぐみ組員三人くみいんさんにん長篠運輸ながしのうんゆしてそのままはしった。

そしてそのすぐあと友近ともちかささえられながら、ボロボロになった桐島きりしま姿すがたあらわした。

「アニキ、無事ぶじでしたか!!」

田中たなかか・・・、名古屋老若連合なごやろうにゃくれんごうたすけにたりと一体いったいどうなっているんだ?」

「それはこのバカな親子おやこのおかげです。」

田中たなかはイーサンとジェームスをゆびさしてった。

「そうか・・・、こんなおれたちをたすけてくれたのか・・・。」

桐島きりしまもうわけなさそうにった。

「いいんだよ、そんなこと。」

「そうとも、面白おもしろはなしけたからね。」

「・・・まさか、田中たなかあのはなしを・・・。」

「すいません、ひるはんをごちそうになったものですから。」

「とにかく、大島おおしまさんのくわよ。わるいけどイーサンたちをおくってあげられないわね。」

にしなくて結構けっこうだ。」

そして友近ともちか桐島きりしま田中たなかくるませて、大島家おおしまけへとかってくるまはしらせた。










イーサンとジェームスが帰宅きたくしてから一時間後いちじかんご、イーサンは大島おおしまから「チーム・ブンガブンガとジェームスと一緒いっしょてくれ」と電話でんわ連絡れんらくけた。

イーサンはすぐにメンバー全員ぜんいん電話でんわして、ジェームスと一緒いっしょ大島家おおしまけへとかった。

大島家おおしまけではメンバー全員ぜんいん連合れんごうのメンバーがあつまっていた。

「イーサン、おそいぞ。」

「ごめんね、らせはいた?」

「もちろんよ、面白おもしろいことってなに?」

斎藤さいとうたずねた。

ふくダンボール株式会社かぶしきがいしゃ秘密ひみつだよ、あと大島おおしまさんがくわしく説明せつめいしてくれる。」

「なんだよ、もったいぶって・・・。」

文道ぶんどうくちをとんがらせた。

「でもそこまでわれると、大島おおしまさんのはなしかないわけにはいかないな。」

武田たけだった。

そして大島おおしま桐島きりしま田中たなかれてみんなのまえあられた。

「おい、あの二人ふたりって元長篠組もとながしのぐみの・・・。」

「なんでいるんだ・・・?」

連合れんごうのメンバー全員ぜんいんがざわめきだした。

うそだろ、なんであの二人ふたりがいるんだよ!!」

神島かしまおおきなこえおどろいた。

ぼくとジェームスが仕事帰しごとがえりに出会であったんだ。」

「そんなことってありかよ・・・。」

神島かしま呆然ぼうぜんとした。

そして大島おおしまはみんなにった。

今日きょうあつまってくれてありがとう、みんなはもうおどろいているだろうがここにいる二人ふたり元長篠組もとながしのぐみ桐島きりしま田中たなかだ。ついさきほどイーサンから連絡れんらくけて、二人ふたりとその仲間なかまたちをたすけてきた。それではここから、イーサンとこの二人ふたりふくダンボール株式会社かぶしきがいしゃ本当ほんとうやみについて、はなしてもらいましょう。」

ばれたイーサンがみんなのまえで、説明せつめいはじめた。

「えー、今日きょうジェームスと一緒いっしょ仕事帰しごとがえりにアイスクリームをおうとならんでいたら、田中たなかさんがわれているところかけたのでぼくとジェームスでたすけだして、その後喫茶店ごきっさてんはなしをしてもらいました。」

イーサンは咳払せきばらいをしてはなしつづけた。

今朝けさ長篠組ながしのぐみ組長くみちょう逮捕たいほされるというニュースがありましたが、これは昨夜さくや桐島きりしまさんが警察けいさつにタレコミしたからです。」

「はい、イーサンのとおわたし警察けいさついました。」

桐島きりしまさんは清藤きよふじというひとに『組長くみちょうをサツにれば、長篠運輸ながしのうんゆ仕事しごと斡旋あっせんしてあげる』とって裏切うらぎるようにちかけました。」

「はい、このままふくダンボール株式会社かぶしきがいしゃ経営けいえい上手うまくいくとおもえないし、組長くみちょうへの不満ふまんもありました、それにいつかヤクザからあしあらわなければならないとおもっていました。そこで組長くみちょう裏切うらぎって、田中たなかたちと一緒いっしょ運送会社うんそうがいしゃつづけていこうとかんがえました。」

「でも清藤きよふじ裏切うらぎられてしまった。」

「ああそうだ、今朝けさ会社かいしゃかっていたら、田亀組たがめぐみ連中れんちゅうおそわれた。連中れんちゅうは「おまえらはてられたんだ、清藤きよふじのためにえてもらう。」とわれて、会社かいしゃれてかれた。そこではすでにおれ仲間なかまとらえられていて、連中れんちゅう全員捕ぜんいんとらえたら会社かいしゃ放火ほうかして皆殺みなごろしにする計画けいかくくわだてていたんだ。」

桐島きりしまの言うことにチーム・ブンガブンガのメンバーも大島おおしま連合れんごうのメンバーも、呆然ぼうぜんとした。

「ちょっとって、ということは長篠組ながしのぐみ組長くみちょう清藤きよふじなに関連かんれんがあるということか?」

「はい、そもそもふくダンボール株式会社かぶしきがいしゃ組長くみちょう清藤きよふじ起業きぎょうしたんです。でも名古屋老若連合なごやろうにゃくれんごうとのあらいでもうけられなくなり、事件じけんこしたことでサツにけられた。だから清藤きよふじ組長一人くみちょう犯行はんこう仕立したげるために、おれ裏切うらぎるようにったんだとおもいます。」

「なるほど、つまり清藤きよふじすべての黒幕くろまくということか。で、その清藤きよふじって何者なにものなんだ?」

小牧市こまきし市長しちょうです。」

「な・・・なんということだ・・・。」

大島おおしまはそのからくずちた。

大島おおしまさん、どうしたんですか?」

かれまえからいい市長しちょうだとおもっていたんだ、それがまさかうらでヤクザとつながっていたとはなあ・・・。」

大島おおしまはケラケラとかわいたこえわらした。そしてイーサンのほうくとった。

きみとお面白おもしろはなしだった、よってわたし清藤きよふじたおすことにする。」

「そうこなくっちゃ。」

イーサンは笑顔えがおった。

「もちろん、ぼくもチーム・ブンガブンガもちからすよ。そうだよね?」

イーサンはメンバー全員ぜんいん反応はんのうた。

おれはイーサンに賛成さんせいだ。」

ぼくも、たのしくなりそうだし。」

おれもだぜ、しん悪党あくとうにドンパチかましてやる。」

わたしだって、こんなわるやつゆるせない!!」

おれ同感どうかんだ。」

イーサンは満面まんめん笑顔えがおになった。

「チーム・ブンガブンガはすようだが、きみたちはどうだ?」

大島おおしま連合れんごうのメンバー全員ぜんいんた、するとメンバー全員ぜんいんが「協力きょうりょくする」と名乗なのた。

きみたちはどうだ?」

今度こんど田中たなか桐島きりしまった。

「やりますよ、清藤きよふじとしまえをつけてやる!!」

わたしもだ、あいつには一矢報いっしむくいたい。」

「よし、満場一致まんじょういっち清藤きよふじ田亀組たがめぐみ討伐とうばつすることがまったな。」

「それじゃあみんな、気合きあいをれていくよ・・・、ブンガブンガ!!」

イーサンのかけごえに、みんなが「ブンガブンガ!!」とわせた。













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