最終章・事件が終わって

九月一日くがつついたち二学期にがっきむかえた放課後ほうかご、『チーム・ブンガブンガ!』のメンバー五人ごにん多目的室たもくてきしつあつまっていた。

「みんな、ひさしぶりだね。」

「ああ、みんなであつまったのはあの事件じけん以来いらいだな。」

こわかったけど、最後さいごには清藤きよふじててかったよ。」

「ああ、おれたちの大勝利だいしょうりだぜ!!」

 二週間前にしゅうかんまえ、『チーム・ブンガブンガ!』は大島おおしま桐島きりしまたち・日向ひなた彩芽あやめ一緒いっしょに、清藤きよふじらしめた。

袋叩ふくろだたきにされた清藤きよふじはその警察けいさつ連行れんこうされ、ふくダンボール株式会社かぶしきがいしゃかかわっていたことや、田亀組たがめぐみめいじてイーサンたちを自宅じたく監禁かんきんしたとして、逮捕たいほされた。

この事件じけんはニュース・新聞しんぶん週刊誌しゅうかんしおおきくげられ、清藤きよふじうらかお悪行あくぎょうとく小牧市民こまきしみん衝撃しょうげきけた。

警察けいさつでは清藤きよふじ余罪よざいについて徹底的てっていてき追及ついきゅうしていく予定よていだ。

「そういえば、桐島きりしま元気げんきかな・・・。」

神島かしまがふとつぶいた。

桐島きりしま田中たなか一緒いっしょ自首じしゅして、刑務所けいむしょなかだよ。」

神島かしま、どうしてそんなことうんだよ。りん誘拐ゆうかいしたやつなんだぜ?」

文道ぶんどう神島かしま質問しつもんした。

たしかにそうだけど、桐島きりしまってなんかワルっていうかんじがしないんだ。りんたすしたときりん素直すなおあやまっていたし」

「ぼくもわかる、ヤクザにえるのはだけで本当ほんとうやさしいんだ。」

桐島きりしまれたひと二人ふたりいたからね。」

日向ひなたさんと彩芽あやめさんだっけ、あの二人ふたりなら名古屋老若連合なごやろうにゃくれんごう入会にゅうかいすることになったそうだよ。」

「マジで!!一体いったいどうして?」

なん桐島きりしま田中たなか自首じしゅする直前ちょくぜん、『出所しゅっしょしたら名古屋老若連合なごやろうにゃくれんごうはいる』とったらしく、出所しゅっしょしたら出迎でむえるために入会にゅうかいしたらしい。」

「じゃあ桐島きりしま田中たなか名古屋老若連合なごやろうにゃくれんごう入会にゅうかいしたら、二人ふたりめるということか?」

ちがう、四人よにんつづけていくそうだよ。」

「あの四人よにんなら、いい仲間なかまになれそうだ。」

風間かざまった。

「そうえば斎藤さいとうがまだてないな、一体いったいなにをやっているんだ?」

「そういえば斎藤さいとうからいたけど、しんメンバーをスカウトしたからみんなに紹介しょうかいしたいってっていたな。」

しんメンバー?一体いったいだれだ、おれたちの仲間なかまになりたいものきは?」

五人ごにんくびかしげた、『チーム・ブンガブンガ!』はみんなの注目ちゅうもくまとになっているが、イタズラをする度胸どきょうのあるひとがおらず、結成けっせいしてからずっと六人ろくにんつづけてきた。

「みんな、おまたたせ!れてきたよ。」

とびらこうから斎藤さいとう元気げんきこえがした。

おそいぞ斎藤さいとう、みんなってたんだ。」

神島かしまおこった口調くちょううととびらひらいた。

そこにいたのは斎藤さいとう背中せなかされている、黒髪くろかみなが少女しょうじょ姿すがたがあった。

その姿すがた五人ごにんは、アッとおどろいた。

ゆいさん!?」

「え、藤宮ふじみや?」

うそだろ・・・あの藤宮ふじみやが?」

しんメンバーに・・・?」

「どういうかぜまわしだ?」

藤宮ふじみや斎藤さいとうされ、五人ごにんまえかおした。

「あの・・・はじめまして。藤宮唯ふじみやゆい・・・です・・・」

藤宮ふじみや赤面せきめんしながらふるえている。

ゆいちゃん、緊張きんちょうしなくてもいいよ。だれもあんたのこと、わるわないから」

斎藤さいとう藤宮ふじみやうと、五人ごにんかおまわした。

「うん、そのとおりだよ。」

だれでも大歓迎だいかんげいだ。」

「でもまさか藤宮ふじみやはいりたいなんて、予想よそうしていなかったぜ。」

仲間なかまおおほうがいい、活動かつどうはばひろがるからな。」

すると神島かしまがって、藤宮ふじみやった。

藤宮ふじみやおれたちはイタズラをおも活動かつどうしている。ということは大人おとなおこられることが、よくあるということだ。おまえはそれでも入団にゅうだんする覚悟かくごはあるか?」

神島かしまかお真剣しんけんだ。

藤宮ふじみや神島かしまからをそらさずにった。

「あるよ、だってあなたたち危険きけんかえりみずにみんなをたのしませることをしている。それは勉強べんきょうでは絶対ぜったいまなべないことだから、わたし入団にゅうだんしてみんなをたのしませることがしたい。だから入団にゅうだんさせてください!!」

藤宮ふじみやあたまげた。

「・・・そうか、じゃあこれからよろしくな。」

神島かしまわらいながらした、藤宮ふじみや握手あくしゅをした。

かったー、ゆいちゃんが仲間なかまになった!!」

斎藤さいとう万歳ばんざいしながらよろこんだ。

「じゃあゆいちゃんも大島家おおしまけでのパーティーに参加さんかだね。」

大島家おおしまけってなに?」

「ぼくたちのスポンサーをしている大島愛知おおしまあいちさんがんでいるところだよ、三日後みっかご決戦けっせん勝利しょうりいわうパーティーがかれるんだ。」

大島おおしまさんって、どんなひと?」

かおくておおらかで面倒めんどうがいいひとだよ、ってみたらきっとるよ。」

「それはたのしみね。」

その藤宮ふじみやれてふくダンボール事件じけんについての談話だんわつづいた。










三日後みっかご武田たけだ風間かざま神島かしま文道ぶんどう斎藤さいとう藤宮ふじみや六人ろくにん大島家おおしまけ集合しゅうごうしていた。

「そういえば、イーサンは?」

「イーサンがおそいのはいつものことだろ?おれたちはパーティーをたのしもうぜ。」

神島かしまとおりだな、料理りょうりりにこうぜ。」

六人ろくにんはそれぞれさらって各々おのおの料理りょうりってはじめた。

「よくたなチーム・ブンガブンガ、・・・・一人ひとり見慣みなれないのがいるな、だれだ?」

緑山みどりやま六人ろくにんはなしかけた。

緑山みどりやまさん、最近さいきん入団にゅうだんした藤宮唯ふじみやゆいです。」

「はじめまして、藤宮ふじみやです。」

「そうか、だったらこうに大島おおしまさんがいるから挨拶あいさつしといたほうがいいよ。」

「ありがとうございます。」

藤宮ふじみや大島おおしまのところにかった。

「あの、このたび『チーム・ブンガブンガ!』にはいることになりました、藤宮唯ふじみやゆいもうします。これからよろしくおねがいします。」

「ああ、もしかしてイーサンがっていたしんメンバー?いやあ、きれいなおんなだね。どうして入団にゅうだんしようとおもったの?」

「チーム・ブンガブンガをて、ひとたのしませたくなりました。」

「そうか、それはいいこころがけだ。ここだけのはなしだけど、イーサンならパーティーの開始前かいしまえてマジックの準備じゅんびをしていたよ。これはメンバーのみんなには内緒ないしょだからね。」

「わかりました、ありがとうございます。」

藤宮ふじみやはおじぎをして、みんなのところへもどってきた。

大島おおしまさん、どうだった?」

「うん、すごひんのいいひとだった。なんだかやさしい紳士しんしってかんじ。」

「そうそう、だからみんな大島おおしまさんについていきたくなるのよ。」

すると友近ともちか六人ろくにんづいてこえをかけた。

「みんなよくたわねって・・・、一人ひとりおおいわね?」

友近ともちかさん、最近さいきん入団にゅうだんした藤宮ふじみやです。」

はじめまして、藤宮ふじみやです。」

「へえー、以外いがいね。あなた真面目まじめそうにえるけど、チーム・ブンガブンガに興味きょうみあったんだ。」

「はい。最初さいしょ毛嫌けぎらいしていたけど、てるうちにたのしそうだなっておもって、入団にゅうだんすることになりました。」

「そうなの。あっ、もうすぐはじまるわ。」

すると部屋中へやじゅうくらくなり、大島おおしまのところにスポットライトがてられた。

「みなさん、今日きょうはパーティーにてくれてありがとう。それではこれより、今回こんかい主役しゅやく天星あまぼしイーサンが登場とうじょうします。それではどうぞ!」

すると部屋へやすみいてある騎士きしよろい一人ひとりでにうごした、みんなその様子ようすにあっけにとられていた。

そして騎士きしよろい大島おおしまのとなりにまった。

「さあて、イーサンはこのなかにいるのかな~?」

大島おおしまよろいなかてみたが、イーサンの姿すがたかった。

「あれ?イーサン、イーサン!!」

大島おおしまびかけるとイーサンが部屋へやとびらからあらわれた。

「やあ、みんな!イーサンだよ。」

「あ・・・アハハ!これはやられた・・・。」

大島おおしまだまされながらも愉快ゆかいそうにわらった。

「・・・なるほど、こういうことだったか。」

「マジックはネタバレしちゃ面白おもしろくない・・・、イーサンらしいぜ。」

おどろいた・・・、さすがイーサン。」

「このためにぼくらにもだまっていたのか。」

「でも、イーサンらしい。」

「ええ、イタズラきだけどたのしませてくれるいいやつだもんね。」

メンバー全員ぜんいんはイーサンをてそれぞれつぶいた。

そしてイーサンはみんなのまえった。

「ぼくらの合言葉あいことばは・・・、ブンガブンガ!!」



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チーム・ブンガブンガ!「福ダンボールの陰謀」 読天文之 @AMAGATA

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