求めたがり
あの頃、君と目が合うだけで震えた。触れるなんて夢だった。
「どうしたの?」
「何でもないよ」
君を抱き締めたまま笑む。布越しにも伝わる温もりが心地良かった。僕はもう君の唇を知っている。愛の言葉を知っている。だけど、だけど今度は。
(もっと、奥を)
いつまで経っても、欲張りのまま。
【お題:満足なんて出来る訳ない】
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