雨宿り


 心に雨が降っている。

「言葉で人を殴るのには、相応の覚悟と愛と信頼関係が必要よ」

「何、急に」

 心に雨。だけど枯れた涙腺からは何も零れない。

「貴方、それらの無い人達に随分痛め付けられたのね」

 雨が止んだ。違う、そうじゃない。君の声が雨を弾いた。僕は驚いて顔をあげた。

(──まるで)



【お題:傘】

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