風と交わりながら


 自らの意思で、飛んだ。

 体感したことのない速度で空気を割り裂いていく。目は開けていられず、耳もゴオという音しか拾えない。掃除機に吸い込まれるとしたらこんな感じだろうか。

 落ち続けていた身体が不意に引き留められ、跳ねた。

「どうだーっ? 初バンジーの感想はーっ」

「……悪くないね」



【お題:風】

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