純潔は唇に


 初めて知った柔らかさ。微炭酸の中へ飛び込んだみたいな淡い痺れが全身に走って、指の先まで甘く震えた。

 なんて甘美。これが貴方の唇。私、やっと貴方の物になれたのね。だから私──……

「お嫁に行けない……」

「は?! え、嘘なんで、俺のせい?!」

 もう貴方以外に嫁ぐなんて、考えられないの。



【お題:お嫁にいけない】

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