選択肢


僕は38回目の「け」を言った。

「うん。け、何?」

「け、け、け」

 これじゃ悪役の笑い声だ。僕にプロポーズなんて出来ない。美鈴さんも呆れ顔じゃないか。

「話が進まないなぁ。もう店出る? それとも結婚する?」

「あ、ひゃいっ」

 どっち、と豪快に笑う彼女に、僕は一生ついていこうと思った。



【お題:私の伴侶に】

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