この瞬間、君だけの舞台


「“ならば、誰が彼を殺したというのか!”」

 突然響いた大声に肩が跳ねた。

(俺の台詞……?)

 舞台袖からそっと覗く。見覚えのある女の子だ。

 客もいない、背景も大道具もない。だけど一筋の光に射抜かれたような、凛とした立ち姿。

 彼女が足元のモップを拾い上げても、俺は目を離せなかった。



【お題:スポットライト】

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