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- ★★★ Excellent!!!美しい自然に彩られた幻想の昔話
山に住まう野分(風の一種)が、捨てられた人間の子を拾うお話。
昔話です。と、そう言い切ってしまうとちょっと語弊がある(というか人によってイメージが違いそうな)気がしなくもないのですけれど、でも個人的には昔話してる物語。おとぎ話とか童話と言ってもいいのかもしれませんけれど、でもどことなく和風な絵面というか、全体を通じてひしひし伝わる古代日本的なイメージが、まさに「昔話!」という印象です(伝われ)。
圧倒されました。何にかは正直わかりません。たぶん細かく散りばめられたいろいろなものに、というのが正確だと思うのですけれど、とりあえずその〝いろいろ〟の内のひとつとして、自然の描写の際立ち方がも…続きを読む - ★★★ Excellent!!!言葉を知らない頃にも読みたかった
人間が神様を求めるように、神様も人間を求める。これは「信仰」という名の共依存であり、お互いの存在理由の一つなんだなと思いました。だからナギには野分がなくてはならない、その逆もまた同様で結末の説得力に繋がるのだなと。ただこれは個人的な思いですけど一度山を離れたナギが野分の感情だけに救われてしまうのがカタルシスが些か弱い(或いは軽い)気がしました。ナギが許されるのは理由が純朴な願いであること、山を離れたのは一度であるけれどナギ自身が二度捨てられてしまうので対価は成立することとして理屈はつくのですが、もっと別離が大きな意味を持つ流れであれば感情は更に揺さぶられたと思います。
好きなように申しました…続きを読む