概要
嘘か、まことか。
「鯨の大八」こと内藤大八は、旗本次男坊の放蕩者だ。
ある晩、内藤新宿でおもんという名の飯盛女(遊女)に声を掛けられた。
奇妙な縁から大八はおもんに入れあげ、通うようになる。
ある晩、内藤新宿でおもんという名の飯盛女(遊女)に声を掛けられた。
奇妙な縁から大八はおもんに入れあげ、通うようになる。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!新宿の地は昔も今も変わらない。綺麗とは対局にある人情の泉源です。
3エピソードなので、起承転で終わりつつ、結は読者の脳裏に押し込みました。みたいな作品。余韻が残りますわ。
尻切れ蜻蛉みたいは不満は抱きませんね。読了後も真相は藪の中なんですが、しっとりとした本作品の世界観にドップリ浸かる愉悦を楽しめます。まるで主人公の大八になったと錯覚するくらいに。
私は、歴史ジャンルの投稿作品を読んだ後、大抵はWikipediaで関連しそうなキーワードを探ってみます。作者の空想による付加価値と言うか、アレンジの妙を確認したいじゃないですか。
今回であれば「内藤新宿」。
まさか登場人物が実在するとは思わないでしょう。でも、主人公の名前がWikipediaに有ったんですよ。…続きを読む - ★★★ Excellent!!!The What-The-Hell Effect
最初に断りを入れておくと、私は時代小説に明るくない。
読んだことがあるそれを思い出せと云われたら、せいぜい頭に浮かぶのは鳥羽亮先生の剣客同心鬼隼人シリーズくらいのものである。それゆえ、件の作品を時代小説として掘り下げられないことが、まっこと心苦しくもあり──。
当初主人公・内藤大八は「第3話 嘘か実(まこと)か」のある出来事をきっかけに"捨て鉢"となったのだなぁ──くらいに思っていたのだが、改めて読み直してみれば自身の置かれていた立場もあり、冒頭から中々の"捨て鉢"っぷりである。
このように件の作品、詞(ことば)の掛け具合(とでも云えば良いので?)がやたらと巧い。
「嘘か、まことか」…続きを読む