概要
八人の彼らは、それぞれに紋章権能と呼ばれる特殊な異能力を持っていた。
最も優れた者だけが抜け出すことができる。
そう明示する白い謎の施設から、『他人の能力を借りて行使できる』能力を持った皆嶌龍弥は逃亡を図る。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!予想を超え続ける超名作
まず、私の知るちっぽけな言葉では、この作品の真髄をうまく表現できないと思います。でも少しでも伝えたくてレビューさせていただきます。
正直最初は難しいお話かと思いましたが、読んでみると「なぜ今まで読まなかったのか」と後悔するほど魅力溢れるものでした。
ちょうどいいテンポ、単純ではないが複雑すぎることはないちょうどいい読みやすさ、そして特に私が気に入ったのが熱や色に対する美しい表現技法の数々。
謎が少しずつ明かされていく悲しくも神秘的なストーリーに、気づけばどっぷり浸かっていました。
ことごとく予想を上回っていくので飽きることもなく、キャラとともに怒り、悲しみ、笑い……読んだあとの充実感が…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「発見した!」 きっとみんな、こんなSFを探していたんだろう?
システム上、星は3つまでですが、気持ちとしては天の川を差し上げたいです。
「文章で殴るってどうやるんだっけ?」
「文章で目を幸せにしたい」
「クオリティの高い文章に圧倒されたい」
そう思ったのなら、この作品は読むべきでしょう。
物語は、主人公ら含む男女数人が、「奇跡館」と呼ばれる場所に閉じ込められているという不可解な状態から始まります。
――ああ、なるほど。よくありがちな「脱出ゲーム?」もしくは「『GANTZ』的な何か?」なんだろうか?
そんなふう思っていた自分が、どれだけ愚かだったことか。読み進めていくうちに、序盤のすべてが仕組まれたものだったと驚かされ、物語の規模の大きさに…続きを読む - ★★★ Excellent!!!世界観の大胆な切り替わりに合わせ、謎も継承されてく楽しさ
SFというジャンルならではと思われる、生理的怖さと、世界観の移り変わり感が見事な作品と思います。
謎が謎を呼ぶ展開の切り替わりが、エンタメ的にも楽しい。物語が描かれる世界観の広がりに応じて、謎が多角的にシフトしていくような。
そしてそういう進みの中で、ミスリードと思われる情報も結構多く、それに後に明かされてく謎の伏線がかなり多めな印象もあり、ミステリー的にも面白い構成となってます。
作中での様々なガジェットの説明はSF的で、神秘的要素をある程度は意図的に排除していってる感じもある。第一章は特に、そういう説明が興味深いだけでなく、物語で演出されてる恐怖感と見事に直結してると思う。
それはま…続きを読む - ★★★ Excellent!!!まるで映像を見ているかのような圧倒的描写力
作品に応援いただいたご縁で、この物語に出会いました。更新分まで読み終えましたので、レビューさせていただきます。
突如として主人公らが「奇跡館」と呼ばれる建物に閉じ込められ、特異な能力を持っているところから始まる物語。
閉鎖空間に閉じ込められた彼らは、脳内に響く声によって、最も優れた一名だけがここを去ることができる、と告げられます。
そんな彼らの物語である本作の魅力は、なんと言っても描写力。主人公らのいる「奇跡館」の様子から、部屋の内部に置かれたものまで丁寧に、しかし読みやすく書かれています。
その為、彼らがどんな場所にいるのか、どう戦っているのか、相手はどんな様子なのかが頭の中に映像と…続きを読む