「発見した!」 きっとみんな、こんなSFを探していたんだろう?

システム上、星は3つまでですが、気持ちとしては天の川を差し上げたいです。


「文章で殴るってどうやるんだっけ?」
「文章で目を幸せにしたい」
「クオリティの高い文章に圧倒されたい」

そう思ったのなら、この作品は読むべきでしょう。


物語は、主人公ら含む男女数人が、「奇跡館」と呼ばれる場所に閉じ込められているという不可解な状態から始まります。

――ああ、なるほど。よくありがちな「脱出ゲーム?」もしくは「『GANTZ』的な何か?」なんだろうか?

そんなふう思っていた自分が、どれだけ愚かだったことか。読み進めていくうちに、序盤のすべてが仕組まれたものだったと驚かされ、物語の規模の大きさに圧倒され、そして、作者様の描く世界に魅せられてしまいました。

設定の濃密さや、SFにかける情熱――今のところ、この作品以上の物を知りません。「光」の書き方が上手い作品、「音」の表現が上手い作品……いくらでもあるでしょうが、「熱」をありありと描き出す本作には、毎回圧倒されてばかりです。特に、核融合を描いたシーンは凄まじすぎて、原爆の父オッペンハイマーでも破壊者を名乗れなくなるレベルです。


……結局、何が言いたいかというと、

ヒロインであるオートノミーが好きです。たぶん、作者様から引かれるくらいには。オートノミーを崇める同士が欲しいので、そういう意味でもますます読者が増えて欲しい作品です!




――with all of my hearts.

Somewhere in New Delhi, 27/07/2022

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