まず、私の知るちっぽけな言葉では、この作品の真髄をうまく表現できないと思います。でも少しでも伝えたくてレビューさせていただきます。
正直最初は難しいお話かと思いましたが、読んでみると「なぜ今まで読まなかったのか」と後悔するほど魅力溢れるものでした。
ちょうどいいテンポ、単純ではないが複雑すぎることはないちょうどいい読みやすさ、そして特に私が気に入ったのが熱や色に対する美しい表現技法の数々。
謎が少しずつ明かされていく悲しくも神秘的なストーリーに、気づけばどっぷり浸かっていました。
ことごとく予想を上回っていくので飽きることもなく、キャラとともに怒り、悲しみ、笑い……読んだあとの充実感がたまらなく心地いい。
本当にこの作品を知れて良かったと思います。
ぜひ一度読んでみてほしいです。
あなたが素敵な作品と巡りあえますように。
システム上、星は3つまでですが、気持ちとしては天の川を差し上げたいです。
「文章で殴るってどうやるんだっけ?」
「文章で目を幸せにしたい」
「クオリティの高い文章に圧倒されたい」
そう思ったのなら、この作品は読むべきでしょう。
物語は、主人公ら含む男女数人が、「奇跡館」と呼ばれる場所に閉じ込められているという不可解な状態から始まります。
――ああ、なるほど。よくありがちな「脱出ゲーム?」もしくは「『GANTZ』的な何か?」なんだろうか?
そんなふう思っていた自分が、どれだけ愚かだったことか。読み進めていくうちに、序盤のすべてが仕組まれたものだったと驚かされ、物語の規模の大きさに圧倒され、そして、作者様の描く世界に魅せられてしまいました。
設定の濃密さや、SFにかける情熱――今のところ、この作品以上の物を知りません。「光」の書き方が上手い作品、「音」の表現が上手い作品……いくらでもあるでしょうが、「熱」をありありと描き出す本作には、毎回圧倒されてばかりです。特に、核融合を描いたシーンは凄まじすぎて、原爆の父オッペンハイマーでも破壊者を名乗れなくなるレベルです。
……結局、何が言いたいかというと、
ヒロインであるオートノミーが好きです。たぶん、作者様から引かれるくらいには。オートノミーを崇める同士が欲しいので、そういう意味でもますます読者が増えて欲しい作品です!
――with all of my hearts.
Somewhere in New Delhi, 27/07/2022
SFというジャンルならではと思われる、生理的怖さと、世界観の移り変わり感が見事な作品と思います。
謎が謎を呼ぶ展開の切り替わりが、エンタメ的にも楽しい。物語が描かれる世界観の広がりに応じて、謎が多角的にシフトしていくような。
そしてそういう進みの中で、ミスリードと思われる情報も結構多く、それに後に明かされてく謎の伏線がかなり多めな印象もあり、ミステリー的にも面白い構成となってます。
作中での様々なガジェットの説明はSF的で、神秘的要素をある程度は意図的に排除していってる感じもある。第一章は特に、そういう説明が興味深いだけでなく、物語で演出されてる恐怖感と見事に直結してると思う。
それはまさしく、理性的な認識で描かれている、異常な世界観。
また、紋章権能という謎の特殊能力が、最初から重要げなガジェットとしてあるのだが、これの設定や描写が、深く考えると結構不気味な面もあり、この能力を使う者に関して、作中で使われているある呼称が(それはよくあるようなものではあるのだけど)なかなか印象深かったりもする
作品に応援いただいたご縁で、この物語に出会いました。更新分まで読み終えましたので、レビューさせていただきます。
突如として主人公らが「奇跡館」と呼ばれる建物に閉じ込められ、特異な能力を持っているところから始まる物語。
閉鎖空間に閉じ込められた彼らは、脳内に響く声によって、最も優れた一名だけがここを去ることができる、と告げられます。
そんな彼らの物語である本作の魅力は、なんと言っても描写力。主人公らのいる「奇跡館」の様子から、部屋の内部に置かれたものまで丁寧に、しかし読みやすく書かれています。
その為、彼らがどんな場所にいるのか、どう戦っているのか、相手はどんな様子なのかが頭の中に映像となって思い起こされます。私の語彙力では、凄い、の言葉しか見つかりませんでした。
そして物語が大きく変化する、第一章のラストから第二章にかけて。第二章からはテイストが変わり、物語が更に深まっていきますが……この先は、もちろん本編で。
他の皆さまも是非読んでみてください。