概要
【角川武蔵野文学賞参加作品】柳瀬川支流の蛍と一人の女性の物語
夫と別れ、一人娘も嫁ぎ、武蔵野の地でたった一人暮らす女性は、日々の移ろいの中で昔見た一匹の蛍を思い出す。
変わらない暮らしをしているのに、どんどん変わってしまう周囲の環境。気がつけば自分は一人ぼっちになっていた。
あの日見た蛍も、同じような気持ちを抱いていたのだろうか。
第一回角川武蔵野文学賞参加作品。
変わらない暮らしをしているのに、どんどん変わってしまう周囲の環境。気がつけば自分は一人ぼっちになっていた。
あの日見た蛍も、同じような気持ちを抱いていたのだろうか。
第一回角川武蔵野文学賞参加作品。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!変遷と再生。そこには、物理的な目標だけでなく人生の教訓も混ざっている☆
自分、娘、そしてお孫さん。血は争えないというイメージを引きずりながら読み進めていくと、ポッと光った蛍の存在で「新しい」ものを築き上げていこうという爽やかなシーンに突き当たる。武蔵野を育んできた自然は時代と共に変遷したが、蛍を増やすという目標ができたことで、武蔵野の自然もまた自ずと変化していくんじゃないかと、前向きなイメージを持たせてくれた素敵な作品。
「環境を変えれば自然も変わる=自分も変われば新しい人生が見えてくる」
限られた文字数の中で、無駄なく自然と心の持ちようが表現されてて、一度切りならず何度も往復して読み返したくなります☆ - ★★★ Excellent!!!武蔵野の蛍を軸に女性主人公の人生の変遷と心の移ろいを綴った秀作
かつて柳瀬川という川のさらに支流で蛍を見た女性主人公の人生が淡々とした筆致で語られる文芸作品。
離婚してひとり娘と実家に戻った主人公は、景色が自分の頃とはまるで違っていることに気づく。やがてその娘が自分と同じように実家に戻ってくる。ひとり静かだった生活は孫中心の生活と変わってしまう。そして自分を見下すような娘。
もういなくなっていたと思っていた蛍がボランティアの手で増やされており、娘と孫と三人で見に行く。幼少の頃見た蛍に思いを馳せ、涙する主人公。心配した孫が声をかける。それをきっかけに、疎外感を感じていた主人公は若い二人に少し近づくことができ、人生の光への希望を持つ。
人生を諦めかけた主…続きを読む