概要
連中は、俺みたいなのを受け容れる度量も無けりゃ殺しちまう度胸も無いのさ
某国の小村には肌の色を自由に変えることのできる男が住んでいるという。
「私」は交渉の末、男へのインタビューを許可されることとなる。
「私」は交渉の末、男へのインタビューを許可されることとなる。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!村の為では無く
肌の色を自由に変えられる男と、その男の恩恵に預かって生きる村と、男にインタビューをする為に村に訪れた者の話。
肌の色を自由に変えられるという事でカメレオンを思い浮かべたのですが、彼は村の人々からは『カメムシ男』と呼ばれている。その理由が最後に繋がる伏線になっていて、インタビュー後の『拠点にて』の独白で回収された時は(成る程…)と膝を打ちました。
所々に違和感を覚える箇所が綺麗に繋がっていて良い読後感があります。
ヒーローではないしヒーローになるつもりも無い男が村から解放された後、どんな人生を歩んでいくのかが楽しみです。もしかしたら何処かでヒーローをやる事になるのかも? - ★★★ Excellent!!!他者の期待を背負う存在がヒーローであるのなら
肌の色を自由自在に変えることのできる男と、彼を取材しにきた人のお話。
硬質な鋭さを感じるシリアスな物語です。設定的な面ではSFや現代ファンタジーのような味わいも楽しめますが、なるほどジャンルの通りの『現代ドラマ』といった趣の作品。
舞台はとある国の小さな村、〝カメムシ男〟と呼ばれる不思議な擬態能力を持った男と、彼にインタビューする主人公。もちろん彼の能力について取材しているのですが、でも重要なのは(少なくともその光景を通じて読み手が見ているものは)この村とそこに伝わる伝承です。
カメムシ男とは彼自身のことであると同時に彼の先祖のことでもあり、故に村の英雄として語り継がれているものの、…続きを読む