ただ口をひらかずして

企みとも呼べない空想が実現するのを待ちながら紛れ込んでいる消極的な敵意。

花火の上がった新月の夜に、男はどんな顔をしていたのか。たとえ、その場に誰かが隣に居たとしても、きっと見えてはいないのだ。

諦観に秘して笑む彼らは、確かに英雄ではないのだろう。
そして、私の中にもいるのだろう。

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