第1話 Languageへの応援コメント
「氷は氷だ。人間じゃない。だから言葉は通じない。
エッジを通して身体へと伝わってくるのは、氷の声だ。
言葉だと錯覚してはいけない」
競技にのめり込み、独自の世界観を築く者だからこその発想という感じが、出だしから伝わってきます。誰もいないスケートリンクに一礼する場面も好きです。
今さらですが、フィギュアスケートの「フィギュア」は“図形”のことでしたね。
ネットで少し見てみたら、かつて行われていたフィギュアスケートは「氷の上に図形を描く競技」だと書かれていました。
今はおそらく技の難度とか完成度などを競って得点を出すのでしょうが、もともとの由来を踏まえるとそれだけ芸術性の高い競技であることが窺えますね。
「トレース」は、図形の滑り跡ですか。「トレースが、完全に重なっている。」というのが最初よくイメージできなかったのですが、自分が思い描いた通りの形に滑れたということなんでしょうね。
作者からの返信
サンダルウッドさん
ありがとうございます!
その出だしは、洸一のフィギュアスケートへのスタンスが伝わるよう最大限気を使って書いたので、本当に嬉しいです。
「リンクに礼」ということに注目していただいたのも嬉しいです!
二章通して洸一を象徴する行為なので…!
トレースの件、分かりにくくてすみません。
ここで洸一がやっているコンパルソリーという練習は、左右の足でそれぞれ3回ずつ同じ図形を描く、というものなのです。
それが完全に重なる、というのは上級者でも滅多に無いようです。少しはズレたり歪んだりするので…。
なので、ここで洸一がパラグラフブラケットという最も難しい図形を完璧に描くという行為は、一種の奇跡(何らかの前兆)と捉えていただければ幸いです。
第17話 Childhood's End への応援コメント
目的も理由も意味も要らない、スケートのためにスケートをする、というセリフ良いですね。痺れます。
人ってなにかする時に目的や理由を探しがちですし、仕事なんかだとそれがないと怒られたりしますが、「それが好き」という気持ちさえあれば、本来それ以上の意味も理由も必要ないのかも知れませんね。
能動的ではなく、氷という世界に導かれるような、ある種受動的な姿勢。その世界を信じて身を預ける勇気がどれだけあるか。そういう感覚を抱きました。
作者からの返信
サンダルウッドさん
第一章お読みいただき、本当にありがとうございました!
そのセリフ、私も気に入っています。全章通して一番好きかもしれません。
書こうと思って書いたものではなく、勝手に出てきてしまったものでした。
震えました、こんなことがあるのかと。
書いている時、本当に里紗と刀麻の世界に没頭していたんだと思います。
第16話 透明な怪物への応援コメント
とーまに対する嫉妬心や、彼が上達して上の舞台に進むことへの恐怖心が大きいのでしょうが、否定するだけでなく最後に正直な気持ちを伝えるあたり、霧崎くんもなかなか良い子かもしれませんね。というか、この作品に根っからの悪人は出てこないのではと何となく感じます。
作者からの返信
サンダルウッドさん
ありがとうございます!
そうなんですよ〜、根っからの悪い奴ではありません!
彼なりに色々思うところがあって、こういう言動をしています。
実は洵はこの小説のもう一人の主人公なんです。
第五章は洵が主人公になります。
まだまだ先が長いですが、そこまでお付き合いいただけたらこんなに嬉しいことはありません笑
編集済
第15話 Sivaへの応援コメント
音楽の先生、意外と良い人じゃないですか。生徒の好調や不調を見極める力があるんでしょうね。
シヴァってそういえばヒンドゥー教の神の名前でしたね。世界史でやった記憶があります。
>浮き足立ちながら言った途端、先生の顔から笑みが消えた。
“浮足立ち”は怪しいかも。誤用されがちですが、あまりプラスのニュアンスでは使わないようなので。“浮立つ”ならありそう。
作者からの返信
サンダルウッドさん
コメントありがとうございます!
そうなんですよ、決して悪い人ではないんです。
プロなので、あくまで冷徹に見ているんですね。
ご指摘ありがとうございます。
言われてみれば確かに、自分で「浮き足立つ」というのは変ですね…
「浮立つ」の方がいいのかもしれません。
推敲してみます!
第10話 星が生まれる時への応援コメント
素人質問で申し訳ないですが、委員長の向かいで先生が演奏しているのは何ですか?
ストリングスってあるので、ギターかバイオリンあたりの弦楽器ですかね。
囲碁でも、流行の戦法や定石などを取り入れて打ったからといって、必ずしも結果がでるわけではないんですよね。もちろん、そういうのが合っている人はやれば良いですが。
型にはまった打ち方より、自分が心から打ちたいと思うような一手を選ぶほうがうまくいったりする。音楽も、そういうものなのかなと思いました。
光のゲートは具現化の真っ最中。
眩しすぎて、結末なんてとても見据えられない。
こういう表現、好きですね。
作者からの返信
サンダルウッドさん
質問ありがとうございます!
書いてるとなかなか気付かないものなので…
先生が演奏しているのもエレクトーンです。
レッスン時は二台向かい合っているか、隣同士かのどちらかが多いです。
そうなんですよね、心から湧き出るものこそ、クリエイティビティの真髄ですよね(勿論、形も大事なんですけど…)
小説もまたそうだろうな、と思っています。
第9話 Escape to space、あるいは世界の中心への応援コメント
読んだあとにタイトルを見返すと、味わいがありますね。
この作品はスケートや音楽の知識がなくても十分楽しめるような書き方をしているのが凄いと思います。表現が達者なので、イメージしやすいんでしょうね。
作者からの返信
サンダルウッドさん
コメントありがとうございます!
タイトル、結構悩んだんですが、これにしてよかったです。
第一章はとにかくリーダビリティーを最優先にして書いた章なので、知識が無くても楽しめると言っていただけて本当に嬉しいです。
第8話 高崎駅改札前への応援コメント
「音楽のある街ってコンセプトなの。プロのオーケストラもあるし、ライブイベント多くて、ストリートミュージシャンにも寛容」
「委員長の町って感じ」
ここ、良いですね。
とーまくんは霧崎くんよりずっと性格が良いですね(笑)
作者からの返信
サンダルウッドさん
ありがとうございます!
そうなんです、この章の時点では、洵より刀麻の方が性格が良く見えるように書いています。
刀麻の本性は全部通して読まないと分からない構造になっています。
(…などと勿体つけてみる)
第7話 これってデートじゃんへの応援コメント
委員長が習ってるもうひとつの楽器はエレクトーンでしたっけ。
ピアノとどう違うのかと思って調べてみたら、エレクトーンは電子オルガンのことみたいですね。
見た目が似ているので弾き方も同じ感じなんだろうかと素人は思ってしまいますが、だいぶ違うものなのでしょうね。
作者からの返信
サンダルウッドさん
コメントありがとうございます!
そうなんです。エレクトーンは電子オルガンで、シンセサイザーのように音を作る機能もあります。鍵盤がプラスチックで、ペダルの操作で両足も使うので、ピアノとは違った操作が必要です。
とはいえ、刀麻のスピードとフィギュアの両方を履きこなすという離れ業に比べれば、ピアノとエレクトーンの違いは微々たるものだと思います。
第2話 レッスン室と汚れた楽譜への応援コメント
これは高校生ぐらいのときですかね。
プロの先生の指導なので厳しいのは当然かもしれませんが、それでもこういう態度だと生徒の才能を摘んでしまう気がしますね。
作者からの返信
サンダルウッドさん
そうです!
第一話が回想で、第二話からが現在の、高校生の時間軸です。
実はこの部分はほぼわたしの体験談で、こういうやたら厳しい先生が本当にいたのです…汗
第1話 妖精の記憶への応援コメント
2回ほど読みましたが、これは新人賞までいいところまで行ってもおかしくなさそうですね。文章うますぎますし、話も面白いです。公募に出したことないので、雰囲気だけで言っていますが(笑)最後の一行が特に好きですね。
リボンナポリンってみたことないですね。北海道だけなんですかね。約束の賭けにジュースをあげるところが、小学生らしくて良いと思います。
作者からの返信
サンダルウッドさん
お読みいただきありがとうございます!
お褒めいただき、光栄です。
実は投稿生活苦節15年、この作品で初めて公募で一次通りました…笑
これが最初で最後にならないよう精進します。
リボンナポリンは北海道限定のオレンジ色の炭酸です。
刀麻と里紗を繋ぐ象徴的なアイテムなので、頭の片隅に留めていただければ幸いです。
第17話 Childhood's End への応援コメント
とーまは誰かのために滑ってはだめなのですね。主人公が誰かのために音楽を作らないように。不思議な関係だなと思いました。
作者からの返信
下山田大地さん
そうなんです。
刀麻は誰かのために滑るという目的を持つことによって、神でも妖精でもない、ただの「男」になるのです。
この小説では、様々な形で「神殺し」が行われますが、第一章が一番ラディカルかつ残酷だと作者としては思っています。
第1話 妖精の記憶への応援コメント
「妖精だ、と私は思った。風を味方に付け、氷の祝福を受ける。」
詩のような文章ですね。ここだけじゃなくて全体的に、詩を書くような、歌うような、語感や響き、そこから生まれるイメージを重視して編まれている、と思いました。声に出して読みたい、そんな小説、久しぶりに読みました。刀麻くん、可愛いですね。続きが楽しみです。
作者からの返信
刈田狼藉さん
コメントをありがとうございます!
詩のような文章と褒めていただき、嬉しいです。
一章の書き出しは本当に気を使って、実は投稿する前に音読しながらチェックをしたので、その努力が報われたようで感無量です。
またお読みいただけたら嬉しいです!
第12話 はるなリンクへの応援コメント
> かち、かち、かち。時計の音に合わせて、輪郭が明滅している。
うわあ、と思いました。
ああ、こんな風に表現するのか! とも。
天上さんは音楽をなさってたのでしょうか? 文章の音楽性は『蜜蜂と遠雷』に匹敵する。或いは凌いでいると感じます。
作者からの返信
朔さん
そうなんです、10代、20代はずっと音楽をやっていました!
(芽は出ませんでしたが…)
里紗のモデルは実はほとんどわたしです…
こんな経験できたらよかったな、という夢小説みたいなものです笑
「蜜蜂と遠雷」って、読んだことないのですが、ものすごい名作で有名ですよね!?
きゃー、恐縮です、これを機に読んでみます…
第11話 宇宙を全部への応援コメント
天上杏さんの強みって、オリジナルなのに実感のある描写力だと思います。
オリジナルで上滑ってるとか、実感はあるけど既知の表現とかならいくらでもある中で、両立しているのが凄いです。
作者からの返信
朔さん
勿体ないほどのコメントをたくさんいただき、恐縮しております…!
私、もう15年くらい執筆活動をしているのですが、この作品でやっと自分のオリジナリティを少しは見つけられたかなと思っています。
それまではずっと誰かの真似事や上滑りな言葉を羅列したりして…でもそういうもがきこそ大切だったと今となっては思います。
書き続けてさえいれば、無駄なことなんて一つも無いんだな、とカクヨムに投稿して実感しました。
第10話 星が生まれる時への応援コメント
私は内省的な地の文て、まず殆ど書かないのですが、この作品は凄く胸に刺さります。
> 痛い所を突かれたとか図星だとかじゃない。
> 深淵に足が止まったのだ。
ああ、と思いました。
言葉にして初めて自分自身の内側を知る……みたいな。
作者からの返信
朔さん
胸に刺さると言っていただけて、本当に書いた甲斐があったと思いました…!
言語はそれ自体が他者なので、外に出すことで初めて分かること、気付くことがあると思っています。
第9話 Escape to space、あるいは世界の中心への応援コメント
うわぁ。
イメージの波に飲み込まれて息継ぎを忘れました。
SF要素があるんですか?
でも、フィギュアスケーターって少し、異次元の生き物の気配がありますね。確かに。
作者からの返信
朔さん
わー!そんな風に言ってもらえてうれしいです。
ここはかなり本気で書いた箇所なので…
SFというかマジックリアリズムといえばいいのか、少し難しいんですけど、とにかくただのフィギュアスケート小説ではないぞ、という宣言ですね。
詳しくは五章で色々明らかになります!
第14話 ネイティブスケーターへの応援コメント
後半の、台詞と地の文を交互につないでいくところ、いいですね。
手法自体はよくあるものかもしれませんが、ここでは台詞の中身とぴたりと合って、心地よく入ってきます。
作者からの返信
九里琳さん
ありがとうございます!
表現を褒めていただけるのは書き手として非常に嬉しいです。
とても苦労した箇所なので尚更…!
台詞と地の文を繋ぐ手法は、町屋良平がとても上手で、随分影響を受けています。
第17話 Childhood's End への応援コメント
あの日のかたちは思い描いた通りではない事は多いでしょうけど、迎えたその時に自分が納得のいく答えを出せたのなら、一つの幸せの形なのだと認識させていただきました。
一章、お疲れ様でした!
作者からの返信
綾瀬アヤトさん、コメントをありがとうございます!!
そうなんですよ、実は、第一章は一種のメリーバッドエンドなんです…!
またお読みいただけたら嬉しいです!
第11話 宇宙を全部への応援コメント
こんにちは。
「その揺らぎに、胸の光が蝋燭のように呼応した」「胸の中で光がスパークした」「頭の中の鍵盤から音が溢れてる」
心の動き、泛ぶ光景を表現するのは難しいと思うのですが、天上杏様は攻められていてすごいなと思います。
話は変わって、ここに書くのは趣旨に沿わないかもしれませんが、御礼を言わせてください。私のお話を読んで下さり、しかも★を頂き、ありがとうございました!
私の好みの文章を書かれている方に評価いただいて、うれしいです。
作者からの返信
久里琳さん
ありがとうございます!
表現や描写を褒めていただけるのは、本当に書き手冥利に尽きます…!!
くどいかな?と思っても、使いたい比喩はズバッと使って攻めていこうと心に決めて書いてます笑
こちらこそ、コメントやハート、すごく励みになります。
また久里さんの小説を読みにお邪魔させていただきますね!
第9話 Escape to space、あるいは世界の中心への応援コメント
こんにちは。
フィギュアの王子とピアノ女子の恋物語のつもりで読み進めていたら、意外な転回!
これからどんな方向に物語が進むのか、楽しみです。
作者からの返信
九里琳さん
はじめまして。
コメントありがとうございます!
そうなんですよ~笑
そこから一気にギアを入れて書きました。
実はこの小説、少しだけSFなんです……
(どのようにSFなのかというのは後々明らかになります)
またお読みいただけたら嬉しいです!
第1話 妖精の記憶への応援コメント
フォローをありがとうございます。
スケートを題材にした小説を書いていらっしゃるところに親近感が湧きました。
描写力の高さが凄いと思いました。
続きが楽しみです。
作者からの返信
万里さん
はじめまして。
お読みいただきありがとうございます!
実は私、この小説を書く前に、スケート小説を探していたら万里さんの「氷上の弾道」に出会い、密かに読んでいました…!
当時はカクヨムにも登録していなかったのですが、スピードスケートに関する表現や心理描写に惹かれて、最後まで全部読みました。
こうしてコメントをいただけるなんて夢のようです。
本当にありがとうございます!
「氷上のシヴァ」はフィギュアスケート中心の小説なのですが、第四章にスピードスケートが出てきます。
まだまだ更新は先になるとは思いますが、また読んでいただけたら嬉しいです。
第15話 Immigrant Songへの応援コメント
臨場感あふれる描写です。スケートをされていたのですか?
作者からの返信
下山田大地さん
ありがとうございます!
そこは、まさに臨場感を出したくて試行錯誤を繰り返しながら練った箇所なので、そう言っていただけて本当に嬉しいです!
スケート…実はずぶの素人です笑
全く経験が無いので、100%想像で書いています。