紺碧の海女(マーメイド)《外伝》～Satoru～

前作《紺碧の海女(マーメイド)》の『外伝』として、
〈サトル〉をスピンオフした作品。

　６歳の誕生日を前に両親を事故で亡くし『孤児』となってしまった〈サトル〉。
　その両親の死を『予言』していた―･･･と、気味悪がられ《親戚》の誰もが引き取りを拒否し、
　《施設》へ預けられる寸前に･･･

｢オレが《養子》にする｣

　そう願い出たのは、
同じく親戚中から忌み嫌われていた〈木崎亮〉だった。
　〈亮〉が嫌われていた理由は《マイノリティ》だと『カミングアウト』していたからだ。

｢･･･どうする･･･？お前が決めろ｣

　一見、冷たく突き放すような言葉だが、
誰もが視線を外し相手にしようとしない中、〈亮〉だけは手を差し伸べてくれたのだ。

　〈サトル〉は一変し人懐っこい微笑みを浮かべると、
｢…続きを読む