ヒーローを必要とするのは誰?

世界の危機からみんなを守るための『適合者』。それはたしかに、ヒーローの定義に該当するのかもしれない。
しかし自らヒーローたらんと願い、そうなりたいと思う人はどれほどだろう。

事実を知る『僕』は、ヒーローに温かい言葉を投げかける。
『適合者』はきっとそれで、いくらか救われただろう。気休めに過ぎなかったとしても、少なくともマイナスではない。
ならば彼も直接的に、あるいは間接的にヒーローだ。
だがその言葉は、本当に温かいのか。

世界を救ってくれるのは誰か。誰もが問いかけ、その登場を熱望する――が。誰が自分をヒーローとして推せるだろうか。
そう、あなたも。

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