設定説明が長くてくどい

まずここは日本ではない。日本ではないが使われている言語は日本語である。それというのもこの世界はそもそも私たちの生きる世界とは根本的に違う世界だからである。パラレルワールドといったら良いだろうか。正確にはパラレルワールドではないのだが、こういう世界があるとしか言えない。


この世界は中世のような建物群が並び、街の外にはモンスターがいるようなところだ。モンスターと言っても魔王がいるわけではない。モンスターは宇宙生物であり、外部侵入生命体である。それが人々に害をなすこともあり、脅威となっている。


それと人々といったがこの世界の人は人間ではない。この世界に人間はいない。人間と呼ばれているが、私たちの世界の人間とは見た目がまったく違う。


この世界の人間は青い。そして液体状でブヨブヨしている。スライムといった方が正確である。しかしスライムではない。人間である。青くブヨブヨした液体の生命体が人間である。手足もない。目も口も鼻もない。ただブヨブヨしている。


しかし会話ができる。思念と呼ばれる通信のような方法で会話する。実際に音は出ない。しかし会話が成り立つ。魔法ではない。この世界に魔法はない。しかし魔法のような現象は起こる。人々はそれをふつうのことだと思っており、特に疑念を持たない。


モンスターはクワガタである。もちろん形が私たちの世界でいうクワガタに似ているからクワガタと言っているだけであって、実際にはクワガタではない。サイズも大きい。人が十人分集まって、やっと子どものモンスターの大きさである。


例によって人というのは私たちの世界の人ではなく、青くブヨブヨした私たちの世界でいうスライムのような生命体を指す。モンスターは人を見つけると餌だと思って吸ってしまうのである。吸われた人はあっという間にモンスターの胃袋に収まってしまう。モンスターは森で樹液を舐めて生活しているが、それと人とがよく似ているためである。


ちなみに森はこの世界でいう森と同じようなものである。


しかし木が違う。木は葉っぱも幹も紫色をしている。紫色といっても私たちの世界の紫色とは違う。私たちの世界でいえば緑色である。もっといえば葉っぱも幹も私たちの世界とは違う。葉っぱは鉄釘のようなものだし、幹は豆腐のような柔らかいのが地面から伸びている。だからモンスター(クワガタのような)が飛んでくると砕けてしまうこともある。


ちなみに飛ぶといっても羽を広げて飛ぶわけではない。この世界は重力が軽い。とても軽いのでジャンプすると長距離を跳ねてしまう。それが飛ぶということだ。


この物語はある街の人の子どもが森で幹をかじっているところから始まる。


次回は子供といってもこの世界の子供とは意味が違うことから説明を始める。

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