言の葉の匣(ことのはのはこ)

夏生由貴

序文

***

 『不滅の物語』『読み違え百人一首SF仕様』『空にかかる花園の書』――


 20年ぶりに読み返してみると表現の拙さに火を噴く思いだが、これが当時の

力量なので、推敲せずに載せている。

 こと『読み違え百人一首~』に関して言えば古典文学者、研究者の方々から

お叱りをうけそうな暴挙であるが、20年前の若気の至りということで通したい。今ならば「畏れ多くて出来ませぬ」と身の程をわきまえるだけの分別はある。


 現時点(2019年11月17日)ではみっつの詩集を編んでいるが、今後も徐々に

増やしていくつもり。


 創作分野で一番数の多いのは詩だ。20年前はワープロもパソコンも持っていなかった。約800篇のうち4分の3は筆記帖ノートへの手書きである。

 しかし、数年前の断捨離でなにを血迷ったか、そのほとんどを処分してしまった。よって、載せたくても載せられない詩の方がはるかに多い。


 詩はここ10年ほどまったく書いていない。おそらくこの先も書くことはない。今は小説やエッセイ、Web記事を書いている方が愉しく、性に合っている気がする。その時々の時代、年齢、精神状態、社会環境によって、意欲の沸く分野があるのだろう。私の場合、20年前が詩であり、今は違うということだ。


 書かない、とは云ったものの『不滅の物語』の推敲作業がまだ半分以上残っているので(5年ほど前に一度取り組んだものの頓挫して、さらに5年近くの月日が経っている)これが正真正銘、最後の詩作。さてどうなるものやら……。


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