第4話 新居にしたいのだけど

人間が住処すみかに適していることが分かった。


しかし問題が発生した。

普通、テレパシーぐらいできるのに・・・

なのに、人間ときたらテレパシーが通用しない。


どうしようと途方にくれた。

その時、人間内部からテレパシーが届く。


   「お~い、君達!」

妻  「あら、どなた?」

   「私? 私は貴方とは同種族よ。」

私  「え? そうなの?」

   「もしかして、この個体に住みたいの?」

私  「そうなんだけど・・」

   「じゃあ、住めばいいじゃない。」


妻  「でもさ、テレパシーで許可を求めても通じないよ。」

   「うん、通じないよ。」

妻  「貴方はどうやって許可をとったの?」

   「取ってないよ。」

私、妻「へ?」

   「だって、問題ないでしょ?」

私、妻「・・・」

   「この生物の中にいたからって、この生物に影響ないでしょ?」

私  「まあ、そうだけど。」

   「それにテレパシーの通じない相手に宇宙法は適用されないよ。」

私、妻「・・・・」

   「まあ、どうするかは貴方達が決めなさい。」

私  「あ、うん。」


私  「あの、一緒に同居してもいいのか?」

   「別にかまわないわよ?」

妻  「だったらお願いしようかな・・」

   「いいけど・・脳は私専用だからね。」

私  「わかった。」

   「空きは沢山あるわよ。」

私  「貴方以外にいないのかい?」

   「うん、今はいないよ。」

私  「そうか・・じゃあ、よろしく。」

   「よろしくね。 私は リン。」

私  「僕は ヘッド。」

妻  「私は妻の シャン。 よろしくね」


そういうことで、この人間の体を住処とすることになった。


え?

何? また質問?

で、今度は何?

人間に影響がないって本当かって?

あのさ、私達はちゃんと宇宙法は守る生命体だよ。

宇宙法とは三原則により成り立っているんだよ。

 他の生物に対し危害を加えない。

 他生物との接触は ”郷に入りては郷に従え”。

 侵略行為は禁止。

まあ、他にも細かい内容はあるけどね。


? なに?

体に入ってどうすんだって?

だから言ってるじゃない、私達には電磁波が必要だと。

え? 電磁波を吸い取るのかって?

そんなことしたら生態に異常をきたすでしょう!

じゃあ、どうするのかって?


仕方ない、説明するね。 ちゃんと聞いてよね。

君は共振という言葉を知っている?

そう、音叉などでよく使われる共振ね。

私達はエネルギー体だといったよね?

エネルギー体は電磁波の一種で構成されているんだ。

そのため何もしないと振幅が落ち、やがて静止する。

これは私達がになるということ。

人間でいうと死にあたるのかな?

だから振幅を増幅させる必要がある。

つまり共振を使って増幅させるんだ。

共振は私達の根幹となる周波数だけ行えればいいんだ。

そして、この共振は人間には影響がないんだ。

なぜなら人間に影響がかかるほどの共振は起きないからね。


え? じゃあ、なぜ山とか電磁波の強そうなのを探していたかって?

そりゃ、探しやすいからに決まっているじゃないか。

人間なんて微弱なのにいいのかだって?

あのさ、強ければ強いように、弱ければ弱いなりに共振を制御すればいいだけなの。


あと、何かある?

無いの? じゃいいね。


それではリンさん、お隣に住ませていただきます。

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