第12話 太陽の磁場対策チームをどうする?
ヘッド、リン、シャンの3エネ体は、顔を寄せて対策を考えていた。
「ヘッド、どうする?」
「そうだな~、引っ越すという手もあるが・・。」
この会話にリンは驚きの声を上げた。
「え~!! 引っ越しちゃうの、二人とも!」
「う~ん、私は居心地がいいから、ここでいいいんだけどね、ヘッド。」
「え? ああ確かに居心地はいいな。」
その言葉にリンは飛びついた。
「じゃあ、なんとかしない?」
「そうだな、何とかするか~。」
「任せたわ、ヘッド。」
「え? 俺だけでやれと?」
「何? 何か文句でも?」
「いや、あの、その、ありません。」
その二人の会話を聞いて、リンはやれやれと思った。
仲が良いのか悪いのか、まあ、こんな二人に当てられている自分が情けない。
はやく良い人を見つけようと固く心で誓っていた。
「なあ、リンさん、他に手伝ってくれる人はいないのか?」
「う~ん、難しいと思う。」
「なんで?」
「だってさ、太陽フレアは電磁場の操作をするのが一番でしょ?」
「まあ、そうだけどさ、でも操作には色々あるよ?」
「そうなんだけど、強制的に蓄積された電磁エネルギーを除去しようとした場合、困らない?」
「まあ、強力な地場消去装置が必要なのと、それを使用した副作用の対策が大変だろうね。」
「でしょ? もし副作用があった場合はどうなると思う。」
「そうだな~、太陽活動が活発になるか、その逆だろうね。」
「そうすると氷河期か、地球の気温上昇かの何れかになるよね。」
「うん、そうだけど、何か問題がある?」
「氷河期に生物が耐えられる?」
「あ、そうか・・、難しいかな、ここの生物は。」
「まあ、運がよければ突然変異が生まれかもしれない。
その場合、ごく一部の生物だけ生き残ることになると思う。」
「いや~、それだと住居探し大変になるよね。」
「そういうこと。」
「だとするとエネルギー体による地場調整が一番か・・。」
「そのタイプの生命は、ここにいる3エネ体と・・。」
「ああ、以前君がいっていた人、あわせて4エネ体くらいか?」
「そういうこと。 でも、あの人は協力してくれるかな?」
「ちょっと、待って、私、面倒なのはいやよ!」
「シャンさん、じゃあ、この住居(人間)が無くなってもいいんだね?」
「え? いや、それは困る!」
「じゃあ、協力、お願いね。」
「あ、え、ええ・・。」
ヘッドは妻のシャンを手玉に取る、まだ子供ともいえるリンに関心した。
自分だとシャンを短時間で説得することは無理だ。
なるほど、女同士だと話しがスムーズにすすむのか。
あれ? じゃあ男同士は? いやいやいや、気持ち悪いだけだろう、それ?
と、変なことを考えていた。
そんな様子を見たリンはヘッドに渇を入れる。
「ちょっと、ヘッドさん、何をボ~っとしてんのよ!」
「あ、すまん・・。」
「ヘッドさん、もう1エネ体の説得お願いね。」
「え~、俺がか?」
「当たり前でしょ、私だと相手にさえしてくれない人だよ!」
それにシャンがリンの見方をする。
「ヘッド、あなた役にたたないんだから、こういう時くらい役にたちなさいよ!」
「え?」
「何、何か文句でもあるの? ヘッド?」
「あ、いや、分かりました!」
「それでよろしい。」
「はい・・。」
これで決まりとばかりにリンは微笑んだ。
そして・・。
「それから、他の種族の宇宙人の説得もしないといけないよね。」
「え? 何で?」
「さっきも言ったでしょ? もしかしたら強力な地場消去装置を使おうとしている宇宙人がいるかもしれないでしょ?」
「あ・・、そうか・・。」
「よろしくね。」
「え~、やだよ俺、そんな面倒臭いのは。」
「それじゃ、シャンさん、ヘッドさんがそう言っているので家移りを考えて・」
「ヘッド! やりなさい!」
「え?」
「え、じゃない! 返事は!」
「あ! はい!!」
リンがニンマリと笑う。
「じゃあ、そうことでヘッドさん、代表よろしくね。」
「・・・はぁ、仕方ないか・・。」
ヘッドは、ちらりとシャンを見た。
シャンは舌をちらりと出して引っ込めた。
俗に言うアッカンベ~だ・・。
くそ~!! やられた!
そうヘッドは心の奥で悪態をついた。
しかし、普通に考えれば、このなかで唯一の男である。
男気をみせなければいけない立場である。
え? 何? 男女平等なのに、男だからというのは可笑しいって?
いいの、いいの、だって今の日本は、そうなっているでしょ?
何か問題でも?
え、無いの? じゃあいいよね。
と、言うわけでヘッドの手腕次第となった。
そして3エネ体の会議は、めでたく終了したのだった。
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