第3話 生物の沢山いる場所へ

妻と生物反応が多い場所に移動した。

なんでもニセコ町とか言うらしい・・


さて、住処探しをしよう。

手当たり次第に出会う動物の電磁波を調べる。


え? 何?

また質問?

好きだね~、君も・・

まあ、いいけど・・

で、何?

動物の電磁波ってなにかって?・・・

ああ、それはね動物は少なからず体内に電流を流してるの。

知ってるでしょ?

そうそう、心臓を動かすにも、脳で考えるにも。

電流が流れると電磁波が生じるの。

え? 何でかって?

・・・・

フレミングの法則とか知らないの?

何? 宇宙人の知識なんて知らない、と?!

あのさ、フレミングの法則は地球人のフレミングさんだよ?

今度は何?

へ? なんで地球人の事を知っているのかって?

・・・

まあ、それはなんだ・・作者の都合だ。

ん? あ、納得するんだ。

いい人だ君は。


そういうわけで・・・

まずは・・狐?

う~ん、ちょっと雑味のある電磁波だね・・

まだ、熊の方がよかったかな・・


次は・・・

猫?

あ、だめだめ、これは・・

電磁波がちょろちょろしすぎだよ・・・

ゴロゴロとも言ってるし・・・


次は犬?

ああっと、君もだめだね・・・

何だい、犬君?

猫よりは犬の方がいいだろうって?

あのね犬君、何を張り合ってるの?

もういいから、あっちに行って・・


それから・・

鹿君ね・・・

う~ん、いまいちかな~

熊といい勝負だね。

ん? 熊は嫌いだって?

あ、そう・・

でも、僕らには君達の相性は関係ないからね。

何? 恋人になんかしたくないって?

ああ、わかったよ・・

ありがとう、もう行っていいよ。


わっ! なんだこれは!

鉄の塊が近づいてくる!

ちょっと、飛ばしすぎだよ! 君!!

なんだ?

中に生物が入ってるな・・・

あ~あ、いっちゃった・・・

狭い●●、そんなに急いで何処に行く・・・

何を急いでいるんだろうね。

せわしない生き物だ。


と、あれ、さっき鉄の乗り物にいた生き物だ。

さっき鉄の塊にいた生物とは違う者のようだ。

歩いてこっちに来るよ。

人間?ていうのかい君は?

もしもし、人間君!?

え?

おい!

ちょっと!

もし、もう~し!

こぉらぁ! 人の話を聞け!

おい、無視するなよ!

・・・・


あれ、もしかして私の話が聞こえてない?

???進化していない生物か?

テレパシーだよ?

普通、通じるでしょうが!!

お~い!

もしも~し・・・


ありゃあ・・・気がつかないよ。

まあ、いいや、勝手に調べさせてもらおう。


お!

いいじゃん!

いい電磁波じゃないか!

人間君、君は偉い!


妻に、人間でいいか聞いてみるか~。


「をぃ! 起きろ!!」

「・・・・・」


起きないな~、こいつ~っ!

まあ、寝起きが悪いのはいつものことだが・・


「わっ!!!」 と、大きな声を出す。


あ、いちおうテレパシーだよ。

わかりにくいから声としておくね。

普通は、この大声で体外の仲間は起きるんだが・・


「をぃっ!! 起きろっ!!!!!」

「ひゃ!」


変な声を出し、飛び跳ねるようにして起きた。


「な、な、な、何!!!!!! 何があったの?」

「いや、あのさ住処候補を見つけた。」

「へ?」

「だからさ、住処候補。」

「・・・・」


「あのね、貴方・・」

う、不味い!! 妻の目が据わった・・・

これは、やばいかも・・・


「はぃっ! 何でしょうか?・・・」

「起こし方ってあるでしょう?」

「え~っと、寝ていたから起こしたけど?」

「そうじゃない! 起こし方!!!」


「はぃ! すみません!!」

「まったくもう~・・」


遠くでも モ~ と、牛が鳴く。

いや、今はそれどころではない。

これ以上、逆鱗に触れたら殺される!


「もうすこし、やさいく起こしなさいよ~・・」

「はい・・・以後、きお付けます。」

「まったく、貴方って人・」


妻の声にかぶせる。

「あ、住居候補が行ってしまう!」

「え?」

「あの人間て生物、ほら、道を曲がって見えなくなる!」

「あ、本当だ!」

「急いで追いつくぞ!」

「はい!」


よし、これで妻の愚痴を塞いだぞ。しめしめ。

漂う速度で人間を追いかけ、直ぐに追いついた。


「ねえ、そこの貴方!」

妻が人間に呼びかける。


「あ、だめだよ、それ。人間にはテレパシーが通じないよ。」

「うそ!」

「いや、本当。」

「・・・」

「とりあえず電磁波を見てみて?」

「あ、うん・・・」


「ああ、これは、いいわね。」

「だろう?」

「でも、話しが通じないのよ?」

「うん。」

「大家たる人間に聞けないじゃん。」

「まあ、そうだけどさ・・」

「どうすんのよ?」


人間にまとわりつくように漂いながら途方にくれた。

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