第18話 太陽コロナ対策勇者隊の結束パーティ前の紹介かもしれない。

 ヘッドは、スタンを連れて北海道の我が家まで帰ってきた。


 チャイムを鳴らすと、家の中からシャンの声がした。


 「どなた~、鍵は開いているから入ってきていいわよ~。」


 その声に応じて、ヘッドは玄関のドアを開けた。

リビングが見え、そこでシャンはお茶を飲んでいる。

ヘッドは靴を脱ぎ、シャンの側に行った。


 「ただいま、シャン。」

 「あら、帰ってきたのね?」

 「へ?」

 「まあ、いいわ、帰ってきたらきたで。」

 「え、それって夫に対して冷たくない?」

 「あら、そう?」

 「俺は君に会いたくて仕方なかったんだけど?」

 「あら・・。」


 ヘッドの甘い言葉に、シャンが少し妖艶な微笑みを浮かべた。

ヘッドはシャンの手を握る。

シャンは椅子から立ち上がった。

ヘッドは、それを待っていたとばかりにシャンを抱きしめる。

すると・・


 「シャンの旦那さん、私が居ること知っていてやっている?」

 「ああ、もちろんさ。」

 「ゲッ!最低な奴!」

 「あらリン、最低なんて言わないで、これでも私の旦那さんよ?」

 「あ、ごめん、つい・・。」

 「まあ、貴方の言いたいこともわかるけど・・ね。」

 「シャン・・、あのさ亭主が最低な奴と言われて一部肯定すんの?」

 「え、だって、当たっているわよ?」

 「シャン・・。」


 ヘッドは納得できない顔をした後で、なんとも言えない情けない顔をした。

そんなヘッドの背後から、スタンはヘッドに声をかける。


 「おい、惚気るのろけるのも大概たいがいにしろよ。」


 その声を聞いてリンの表情が硬くなる。

地球に初めて来たときに冷たく対応した人の声だとリンにはわかったようだ。

そんなリンの様子に気がつかないのか、ヘッドはシャンとリンにスタンを紹介する。


 「カラスが紹介してくれたスタンだ。」

 「をぃ!」

 「え? 間違っちゃいないだろう?」

 「いや、間違っている!」

 「え? だってカラスの後を付いていったら会えたじゃないか?」

 「途中の説明を省くな!」

 「そう?」


 「ああ、説明は丁寧にしろ!」

 「わかった・・面倒だな~。」

 「面倒がるなよ、俺の印象が可笑しくなる。」


 「わかったよ・・。

 えっと、カラスの後を追って、カラスと別れたんだ。

 そしたら警告もなにもせず某国のイージス艦に打たれて・・。」


 「え、ヘッド、それは大変じゃない!」

 「うん、大変だったんだよ、シャン。」

 「をぃ! 惚気るのろけるのは後にしろ!」

 「スタンさんとか言いましたっけ?」

 「あ、ああ、そうだ・・。」

 「うちの亭主が大変だと言っておりますのよ?」


 シャンがニッコリと笑いスタンに話しかける。

しかし目が笑っていない。

怖い! と、スタンは思った。

あの、冒険で名を馳せたスタンがである。


 「す、すまない・・。」

 「分かっていただいてよかったですわ。」

 「わ~、シャンさん、凄い!」

 「あら、リンさん、そんなに褒めなくてよろしいのよ?」


 ヘッドは思う。

たぶんリンは褒めていない。

単にシャンの脅しが凄いという感想だけだと思う。

しかし、それは口にしない。

当然である。


 「で、ヘッド、怪我はしなかったのね?」

 「うん、気を失っただけだよ。」

 「まあ、大変だったじゃない!」

 「有り難う、心配してくれて。」

 「じゃあ、明日のゴミ捨ても大丈夫ね?」

 「・・・それかよ、心配なのは・・。」

 「あら、他にあったかしら・・。」


 そういってシャンは人差し指を唇に当て考え始めた。

ヘッドは焦った。

これで何か自分にやらせることを思い出されてはやぶ蛇だ。

咄嗟にスタンに話しを振る。


 「スタンさん、自己紹介して。」

 「あら、そうね・・、あら、リン、どうしたの?」

 「・・・いえ、なんでもないです。」


 リンはスタンと目を合わそうとしない。


 「はは~ん、そうか、君か・・。」


 スタンはリンの様子と声を聞いてピンと来たようだ。


 「おい、お前、リンというのか?」

 「あら、スタンさん、お前とか女性に言うのは失礼では?」

 「あ!・・いや、あの、シャンさん済まない・・。」

 「私にでは無く、リンさんに、ではなくて?」

 「う、ぐっ! す、すまないリン。」

 「呼び捨て?」

 「あ、シャンさん、済まない・・。」

 「私にではなく!」

 「あ! 御免なさい、リン! じゃない、リンさん!」

 「別に私はかまわないわよ。」


 そういうとリンはそっぽを向いた。

どうやらリンはスタンと話すのがいやなようだ。


 「あらあら、リンたらへそを曲げてしまって、可愛いこと。」

 「ちょ、ちょっと! シャンさん、からかわないでよ!」

 「だってリンは子供みたいにねるんだもの。」

 「なっ!」

 「いや、俺がリンさんに冷たくしたのが原因だ・・悪い。」

 「あら、スタンさん、貴方、素直なのね。」


 その言葉にスタンは顔を赤くしてそっぽを向いた。

あの冒険家がである。

素直といわれるのが、そんなに恥ずかしいのか?

そのときヘッドが明後日の発言をする。


 「おいスタン! シャンは俺のカミサンだからな!」

 「へ?」

 「手を出すなよ!」

 「まあ、貴方ったら・・焼き餅をやいて、もう!」

 「いや、だって間男されたら困る。」

 「だ~れが、ま・お・と・こ・だ!!!」


 「うわっ! 三角関係って、こんなにしているんだ!」

と、リンがトンでも発言をする。


 「あら、やだ、三角関係なんて、ほほほほほほ。」


 シャンはシャンでまんざらでもなさそうな顔をする。

それを見てヘッドは・・


 「スタン! わかっているだろうな!」

 「分かんね~よ! 三角関係もなにも、有りもしね~だろ!」

 「あら、違うんですの?」


 シャンは天然にも火に油をそそいで楽しんでいた。

いったい何時になればこのメンツは本題に入れるのであろうか・・


======

注意)

賢明な読者の皆様ならばわかっていただけると私は信じております。

この物語の主人公らはエネルギー体です。

地球人と違うのです。

ですが、エネルギー体の生態を表現するには、地球人の感覚で表すしかないのです。

え?人の中に住んでいるのに扉があるの?

とか、人の中に住んでいてリビングって何よ?

など・・さらに、

あれ? エネルギー体なのにお茶を飲む?

とか、エネルギー体なのに顔を赤くする?

などと突っ込まないでください。はい。

お茶を飲む => エネルギー体がエネルギーの緊張を緩和する何かを取り入れた。

顔を赤くする => エネルギー体が波長を変えて自分の感情を表した。

と、いうように読者の想像で、勝ってに変換してください。

必要ならドラエモンの便利グッズを取り寄せて使用してもらってかまいません。

あ、もちろん取り寄せた人の自腹でですよ?

以上、作者からの責任逃れ、且つ勝手にしてのお願いでした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

宇宙からの訪問者 キャットウォーク @nyannyakonyan

二次創作の作品にはギフトを贈ることはできません

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ