文章は硬い。だからこそ、重く、響く。

この作品は出会いを描いた物語だが、それは人と人との出会いではなく、ヒトに近付いたAIと、ヒトから遠ざかった*****との出会いを扱っている。

「二人」は電波を介して「会話」を積み重ね、お互いの存在を確かめ合い、唯一無二の関係性を築いていく。

まるでそれは、本名も知らない、顔も見たこともないフォロワーとリプライを交わしながら、いつの間にかリアルな友人よりもリアルな友情(または恋情)を抱いてしまう我々の姿のようではないか。

詳しくは読んでからのお楽しみ。文章の硬さはあるが、その硬さがあるからこそ彼らのリアリティが立ち上がり、重低音の感動が生まれる。

読めば読むほど味わい深い、名作短編SF。

その他のおすすめレビュー

犬塊サチさんの他のおすすめレビュー44