自我の輪廻

作者、陽澄すずめさんによる『不幸自慢』の続編。

近しくはあっても、互いに踏み込まない。何者か知らない。その形さえも崩れた時、ミューは自身をカイの目に触れさせてしまう。
ただそれは、至極当たり前のことかもしれない。誰しも他人に見せるのは、飾り立てたもう一人の自分。
気持ちの圧し切れる寸前という状況でさえなければ。

そこから抜け出すために、自分の名を名乗るために、二人は得体の知れない己を殺す。

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