胃加物さんは上品に料理を味わう人なんですね。これが最初に抱いた感想です。彼はとても魅力的なキャラクターです。 また「食」に対するこだわりだけでなく、哲学的な思考も織り交ぜています(「好き嫌いせず何でも食べましょう。」より) 他の人のコメントも非常に興味深く、「いのちをいただく」について考え直す作品として成り立っています。
本作は、主人公の胃加物さんがとにかく魅力的なキャラクターです。いわゆる食人家なのですが、〝命は平等〟という精神が徹底しており、その思想は人肉以外にも遺憾なく発揮されます。カラスやトカゲが食卓に上るのは面白いですね。SNSでは『珍獣屋』さんなど、そういうものが食べられるお店も昨今広まって来ましたが、自分で食材の確保からとはワイルドです(都会のカラスは不衛生と聞くので、そこは心配でしたが……)。このキャラクター性を貫いた一編、大変面白く、そして好ましく読ませていただきました。ありがとうございます。
ごちそうさまでしたサイコパスです。食事中は閲覧注意です。でも、そのグロさがいいです。
すぐにわかることですから書いてしまいますけれど主人公は命は平等、食べるために殺すのは許されるという考えが行き過ぎています。人も豚も平等に殺して食べる食材になります。食材と仕事をしているわけではありませんから人を人として扱うこともありますけれどやっぱり平等。こういう考えが行き着く先は。期待通りのすごい展開が待っていました。万人向きではありません、ご無理をなさらず用法用量を守って正しくお読みください。用法用量ってなに。
動物も虫も植物も、そして人間も、命はみな平等に尊い。食事とは命をいただくこと。そんな『食』について、徹底的に突き詰めた主人公が行き着く先は――。 タグや概要にあるとおり、閲覧注意のお話ですが、怖いだけ、気持ち悪いだけではありません。食と命について、あらためて考えたくなる物語です。
誰しも生きていく以上は、命を食べていかなければならない。そして命に上も下もなく、皆平等。そんな命を奪う以上は、感謝の気持ちを持って食べる。そんな誰よりも命の尊さを知るその人は、今日も奪った命に感謝を込めて口にする。植物だろうと動物だろうと。そして、人間だろうと。感謝を込めて、口にする……。
命を奪ってはいけない。誰もが知っている、最低限の倫理です。ですが他者の命を奪わず生きられる人など恐らくいないでしょう。なぜなら、食と言う形で、みんな誰かしらの命を食べて生きているのだから。もちろんそれは、自らが生きるために必要なこと。恥じることはありません。ただ、頂く命に感謝をしましょう。命は誰にとっても平等だと言うのを、忘れないでいましょう。それを突き詰めれば、いずれは彼のようになれるかも?
もっと見る