難病の道 (ノンフィクション)
来深京人(くるしん きょうと)
はじめに
東京都在住。
40歳、女性。
既婚、しかし別居中の一人暮らし。
子供はいない。
IT系企業勤務のサラリーマン。
動物が大好き。
犬、りす、魚、カエル。一緒に暮らした楽しい思い出。
さかなくん、ムツゴロウさん、加藤先生。
こういう人達に憧れる。
異文化に興味津々で、バングラディッシュからスコットランドまで、若い頃はたくさん旅をした。そんな好奇心がこうじて、アメリカ人と結婚した。NYでの結婚生活10年。ジェットコースターで駆け抜けたような30代。心安らかに生きたくて、日本へ帰国した。
帰国して待っていたのは、転職先での激務と旦那の離脱。
M&Aを終えたばかりの外資系IT会社はカオスとプレッシャーが渦巻いていた。そんな中、旦那不在の一人暮らし。メンタルの病気を抱える旦那はアメリカに残った。
そして今、40歳になり、私は膠原病・皮膚筋炎を発症した。
2018年の11月15日に、検査のため大学病院へ赴いた。その日に即入院となり、検査・治療となった。それから半年が過ぎ、全体的な症状は回復傾向にあるが、4月上旬から左目に異常が現れ始め、視力に影響が出ている。今こうやって文章をタイプしていても、字がぼやけ、あまりよく見えない。数メートル先の人の頭部は、歪んだり縮まったりして見えて、リアル進撃の巨人に囲まれている状態だ。
体が思うように動かない不自由さと、精神的な不安定さから、パソコンに向かえなかった。大分体力がついたと思ってきたところに、目の病気が発症し、更に文章を書くことから遠ざかった。
怖かった。ぼやけた視界で果たしてタイプできるのか。
出来ないとわかってしまったら、私はどうなるのだろう。
仕事も出来ないし、大好きな物書きも出来ない。
だから私は余計にパソコンに向き合うことが出来なかったのだが、何かをやりたい。ただ休職して座っているだけでなく、何かがやり遂げ残したい。私はこのままでは終わらないのだ。
その思いの方が恐怖心より少しだけ勝って、私は今こうして文章を書いている。
よかった、まだ書ける。
一文字一文字の輪郭がぼやけ、時々隣通しの二文字が一文字に重なってしまったり、数字の桁数が多いと一桁見えなくなったりするけれど、体がタイプを覚えている。指が自然と動くから、タイプはできる。まだまだ出来る。
このサイトでは、皮膚筋炎の症状、治療薬としてのステロイドの副作用の経過、私個人の背景と病気の繋がりを書いていく。
所謂単発文のブログ形式ではなく、ショートショートのような短い小説形式または、詩のような形をとる予定だ。
まずは自分のために。
次に、同じ病を抱える人へ。
そして何かしらの困難に苦しむ人と、その周りの人たちへ。
私の難病の道を記録する。
*各話は時系列に並んでいません。
*タイトルへテーマを記載するようにするので、そこでご興味のある話を選んで下さい。
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