サバイバルモードからリビングモードへ!
アメリカのリアリティーショー“Alone”を見ていて気付いたことがある。
これはヒストリーチャンネルが配信している番組で、10人の参加者がカナダの極寒の孤島で何日間一人で生活できるかを競うショーだ。
優勝者は日本円にして約5千万円もらえるということで、いろいろなモチベーションの人がチャレンジしている。参加者はバッグパックに詰められるだけの装備品を持ち込み、番組から支給されたカメラ片手に自給自足の生活を行う。
常に雨が降り寒くてうっそうとした森が広がる島で、釣った魚や森の野ネズミなどを食べながら暮らしていくのだが、食糧不足と孤独感から次々に挑戦者はリタイアしていく。シェルターも自作で、火おこしも自前。寒いしジメジメしているしで、チャレンジャーは悪態をつきながら一日一日を乗り切るのだが、観察していると参加者たちは大きく2つのタイプに分けられるころがわかった。それが“サバイバルモード”と“リビングモード”である。
“サバイバルモード”とは、置かれた状況を打破して次に待っているであろう良い状況にたどり着くまで生き延びるモードであり、“リビングモード”とは、その環境を受け入れ適応し共存していくモードである。
どちらのモードの方が上手くいくかというと、“リビングモード”の人たちなのである。“リビングモード”の人たちは厳しい自然を受け入れ、そこにあるものから釣り竿を作ったり、小舟を作ったりして生活の改善を図る。暇な時間を作らないよう、枝を切りナイフを使い娯楽のためのサイコロを作ったりもする。
“サバイバルモード”の人たちは、最低限の寝床を用意し、食べ物の調達方法を改善することはなく、とにかくその日一日をなんとか乗り越えようとする。食料が少ないことから体力を温存するために、一日中何もせず寝袋の中で寝転んで過ごしたりもする。そうすると時間が経つのも遅く、鬱っぽくなってくる。
”サバイバルモード”の人たちは、悪環境で生き残った後のビールとフライドチキンを夢見て、ひたすら我慢する。“リビングモード”の人たちは、周りの自然を観察したり、より多くの食物、キノコや野草といったものを探して日々の生活を楽しみながら向上させていく。
こうしてそれぞれの特徴を書いていくと、どちらがより長く孤島で生き抜けるかは明白になっていくと思うが、いったいこれが私の持病と何が関係があるかということだ。
今まで認識していなかったのだが、私は“サバイバルモード”であったと思い至った。
難病とコロナ禍、(別の機会に書こうと思うが)現在無職である。3拍子揃った中で、私は“サバイバルモード”であった。日々の掃除や洗濯といったルーティン以外にやることがないと思うこともあった。NetfilxやAmazon Primeも見飽きて、外出自粛で出かけることもないし、つまらない・退屈だと感じることも多々あった。とにかくコロナが収束し、次の仕事が見つかるまで生き延びねば! そう無意識に思っていたのである。
そんな中、母親と旦那に「最近物覚えが悪い、ボケてるよ」と指摘された。
これは非常にショッキングなことである。
私はまだ42歳。認知症になるには早すぎる。
長期的な視野。
毎日を楽しむ。
今ある環境を受け入れる。
こういったものが知らず知らずに欠如していったが故のボケであるように思えた。
そんな中、このAloneという番組から自分なりに”ポイント“を見出したのだ。“サバイバルモード”と”リビングモード”である。
難病・コロナ禍・無職と言うのは一般的にとても“詰んでいる状態だと思う。制限が非常に多い。できないことがたくさんある。
しかし、できることもたくさんあるのだ。
歩けるし、食べられるし、貯金もある。一人暮らしを継続し、自分の好きなように使える時間が山ほどあるのだ。欠点ばかりに目がいって、利点を見過ごしていた。
そう気づいたからには改革あるのみ。
意識を変えて、行動を変える。
何ができるか、何をしたいか、何をすべきか。そういうことを考えてスケジュールを立てる。午前中と午後。1日。1週間。いろいろな単位で考える。そして行動する。毎日のストレッチ、食べ物の買い出し、読みたい本のリストアップ。就職活動。やることはたくさんある。やりたいこともたくさんある。
気づいたからには自分を変えるべしなのだ。
そこにはやや努力がいるが、結果的に自分のためになり人生が上手くいくことにつながると思う。毎日を暮らすのに、我慢して生き抜くよりも、受け入れて共存する方が何倍も気楽でハッピーだ。
ということで、私は“サバイバルモード”から“リビングモード”へシフトしつつある。毎日を楽しく平穏に過ごすために!
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