概要
ナポリの魔術師ヴィルジリオ、破滅の種子の根付いた新宿を往く
東京に破滅の兆しがあるといっとう初めに気がついたのは、恐らくナポリの魔術師ヴィルジリオそのひとだ。
彼はむろんラテン文学最大の詩人ヴェルギリウスではない。残念ながら、英雄譚『アエネイス』を描いた大詩人が魔術師だったのは中世の伝承にすぎない。
けれども時が過ぎた二十一世紀、まして令和の時代になろうとも、人智の及びもつかぬ不思議はなくならない。
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東京恋愛地図 ―TOKYOROMANCE2020
https://note.mu/asa_co/n/na26820730cfa
2020年、東京。
都内の四つの街を舞台に、ある一日のラブストーリーを四人の書き手が綴ります。
【5月8日 新宿】 磯崎愛 @isozakiai
彼はむろんラテン文学最大の詩人ヴェルギリウスではない。残念ながら、英雄譚『アエネイス』を描いた大詩人が魔術師だったのは中世の伝承にすぎない。
けれども時が過ぎた二十一世紀、まして令和の時代になろうとも、人智の及びもつかぬ不思議はなくならない。
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東京恋愛地図 ―TOKYOROMANCE2020
https://note.mu/asa_co/n/na26820730cfa
2020年、東京。
都内の四つの街を舞台に、ある一日のラブストーリーを四人の書き手が綴ります。
【5月8日 新宿】 磯崎愛 @isozakiai
いつもありがとうございます!現在難病疑いで療養中ですが元気になってまた小説をガシガシ書きたいです。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!魔術師の永い午睡
ちからは、美しい。
この物語は、ちからに魅入られた魔術師の物語……そのように読める。
ちからは、生命力そのものであり、エントロピーの増大にともなって拡散してゆくものであり、暴力であり……すなわち、破滅である。
なかば自覚のないまま、ちからに魅入られ、新宿へやってきた魔術師と、ちからを矯めて『使おう』としてきた者たち、そして、在り方に規定された『意思』を持つちからそのもの、三者の思惑が絡んで、そしてほどけていく。
午睡のなかにあって終焉を夢見ていた魔術師はうつつに呼び戻され、ちからは矯められた……かのように見える結末。
しかし、きっとことはそう簡単には終わらない。そうも予感…続きを読む