「純愛」を思考実験するSF恋愛ドラマ

宇宙から帰ってきたのは彼(パートナー)自身ではなく、彼の記憶と人格を全て引き継いだ銀色の球体だった。

だから彼は人間の身体を持たない。思いやりの言葉をかけてくれることはあっても、抱きしめてくれることはない。

これは「小説」と「読者」の関係に似ている。

小説はどこまでも甘く、優しく、言葉で私たちを慰め、寄り添ってくれる。
でも辛いとき、私たちの手を握ってくれたり、悲しいとき、背中をさすってくれることはない。

そんな切なさが詰まった、名作短編SFです。

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