第3話 笑い声

どしたの?変な顔して。


笑い声?空耳じゃない?ここにいるの私たちだけだよ、いま。・・・・・・まって、ほんとだ。うわうわ、なにこれ。


スピーカーおかしくなってるんじゃないの、これ。やだ、不気味。会議準備でなんでこんな目にあうのよぉ。


なに、こういうの苦手そうに見えない?笑い飛ばしそうって?恐いから笑っちゃうのよ、わかる?全然平気じゃないってば。


止まった?電源入れ直したの?


直った・・・・・・かな?ホラー映画だったらここからさらに悪化するよねー、なんて。ちょっ、叩かないで、悪かったってば。


薄気味悪いから会議始まるまで消しとこ。みんながいれば恐くない、ってね。


え、いやいや。いくら朗らかな笑い声っていったって気味悪いものは気味悪いって。確かにお手本みたいな大笑いだったけどさぁ。


他の階と混線?まあ普通に考えればそうだけど。仕事中にみんなで大笑いとかする?

あ、色々考えてたらぞわぞわしてきちゃった。


寄席の声、ねえ。なんでまたそんなたとえを。あー、先週行ってきたって言ってたね。


雨なんか最近降ったっけ。局地的なやつかな。にしても、知り合いが落語家ってなかなかないよね。呑み仲間。なるほどねぇ。


ほんと、なんだったんだろね、さっきの。


ところでさ、そのヘアゴム面白いね。蟹ちゃん?へぇ、帯留め。髪ゴム通すって使い方、ありだね。なんだっけ、2WAYってやつ?着物好きって言ってたもんね。

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